第九話
「特別入試で、なんとか合格した落ちこぼれでも、ナンバーズに参加を勧めてもらえることもあるんだ。てっきり私は、成績上位のものしか、参加できないと思っていたわ。」
人を見下した言い方と、とげのある話の内容に、流石に虎之助と一郎は、ムッとした。
「いったい、誰だよ。君は。」
虎之助が、不機嫌そうに言う。
「あら、ごめんなさい。」
黒のショートカットで、虎之助とは、明らかにタイプの違う雰囲気を出している女性が、まったく悪びれた様子もなく答える。
虎之助が、いかにも人なっこく、明るく陽の雰囲気を出しているとみれば、彼女は、正反対の陰。
冷たく、暗い、人を見下したようなインテリのような雰囲気を醸し出していた。
彼女本来の性格が、雰囲気として、出ているのもあるだろうが、恐らく、魂融合している魔物の影響がかなり関与していると一郎は、感じた。
「私の名前は、橘和子。先のあなた達の会話にちょっと興味があったのよ。ナンバーズって、確か、学内の封印師の実力を数字で現している制度よね。実は、私も、ナンバーズに参加するように、教員の方に言われたわけ。私は、てっきり、封印師としての実力のあるものしか、ナンバーズに参加できないと思っていたんだけど。」
そういうと、冷たい表情のまま、片手で、ショートカットの髪をいじりながら、橘和子は、個人に一人に与えられているパソコンを使い何やら、検索し始めた。
そして、
「堂上 虎之助 西京大学ランキング375位、得意魔法は、肉体強化 教養科目 C 実戦科目 C
特に優れたところなしといったところね。」
と和子は、再び、人を見下したようにゴミを見るような目で、虎之助を見た。
第八話から、できる限りコメントを入れていきたいと思います。今回は、新たな登場人物を加えてみました。(いろいろ試行錯誤しながら登場人物をたくさんいれているので、更新が遅いです。)この子をどのように、作品に生かしていくのかはまだ、未定ですが。仕事をしながら元気に書いていきたいと思います。