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プロローグ 目覚め
「……。……ラ」
ん…なんか今声がしたような…
「セイラ!よかった、やっと起きた〜」
え…この人、誰だろう。
「あの…?」
これが、自分の声?思ってたより高いんだな。それにしても、目の前の人すごいびっくりした顔してるけど僕なにかしたっけ。
「え、セイラどうしたの?」
なんのことだ。そもそもなんでこの人は僕の事知ってるの。
「貴女は誰、ですか?」
ずっと気になってた事を聞いただけだ、なんでこんなに寂しい感じがするんだろう。
「ああっ、やっぱ忘れちゃったかあ」
なぜ忘れられたのに笑っているの?変わった人だ。
「私はね、キラだよ!貴女はセイラ、セイラは訳あって記憶喪失になってしまったみたいなの」
僕はセイラって言うのか…
「キラ…よろしくね」
笑ったつもりだ。キラの目にはどう映っていただろう。