第八十六話「行き過ぎた配慮」
フィッツ先輩の事が気になる。
相変わらず、10日に1回程度しか会わないし、
特別、何か話をするわけではない。
けれど、どうにも気になる。
彼の何気ない仕草が気になる。
耳の裏をポリポリと描く動作とか、
一仕事終えた時の、ぐっと伸びをする動作とか。
ふと目の前を通った時に香ってくる匂いとか。
そう、あと笑顔だ。
あのはにかんだ笑顔が、どうにも頭に残る。
会えない日もそうだ。
人混みを見ると、ふとフィッツ先輩の姿を探している時がある。
実際、彼は人混みにいる事が多い。
アリエル王女とその御一行は学校でも有名だ。
生徒会の活動なんかでも、数名で塊になっている事がよくある。
フィッツ先輩はそうした人々の中でも、一目置かれている。
彼は無言のフィッツと呼ばれ、滅多に口を開かない。
王女の護衛として、魔法大学でもトップクラスの実力を持っている。
一目置かれて当然だろう。
そんな彼を、俺は目で追っている。
この症状に関しては、俺も知っている。
恋ってやつだ。
俺は、男に恋しているのだ。
いや、本当に彼は男なのだろうか。
そこだ。
これは命題だ。
フィッツ先輩が男か女か。
答え如何によっては、俺がホモかノンケかに別れる事となる。
ぶっちゃけ、病が治る気配もないので、どっちでもいいっちゃいいのだが。
出来れば女であってほしい。
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というわけで、
俺は情報収集に乗り出した。
本人に聞くのが一番手っ取り早い。
だが、それは最後の手段だ。
もしかすると、女顔である事を非常に気にしているかもしれないからな。
まず、俺は職員室へと赴いた。
教員棟になら名簿もあるだろう。
名簿には、きっと真実が書いてある。
生徒の個人情報は渡せないと言われても、性別ぐらいなら教えてくれるかもしれない。
そう考え、俺は教員棟へと向かった。
大量にいる教師の中から、4年生の担当。
フィッツ先輩のクラスの担任を探し、聞いてみた。
「フィッツ先輩の性別について、少々お聞きしたいのですが」
「彼の事は、教えられません」
「そこをなんとかなりませんか」
教師は随分とおどおどしていた。
どうやら、俺が怖いらしい。
最近、生徒に怯えられていることは知っていたが、まさか教師にも怯えられているとは。
いや、いい、好都合だ。
「なんとかならないと、僕の太くて逞しい岩砲弾があなたの尻に酷い事をするかもしれませんよ」
「ヒッ……! それは……いや」
「それとも、水系のイタズラの方が好みですか?」
「……も、申し訳ありませんが!」
教師は頑固なものだった。
脅しに屈しないとは、見上げた根性だな。
「冗談ですよ」
俺はそいつから聞き出すのを諦め、ジーナス教頭の所へと移動した。
下でダメなら上に聞けばいい。
職員室の端。
ジーナスは書類の山と格闘していた。
これだけ巨大な学園だ。
教頭の仕事も多いだろう。
邪魔するのは悪いが、何、一言二言で済むことだ。
「ジーナス先生」
「これはルーデウスさん」
「忙しそうですね」
「いえいえ、ルーデウスさんが問題児を抑えてくれているので、かなり仕事が減っています」
問題児。
誰の事だ?
バーディガーディか?
それともザノバか?
どっちも、どう見ても児童じゃないんだが。
「本日はどうしましたか?」
「はい、実はフィッツ先輩のことを聞きたくて」
そう言うと、ジーナスはぴくりとまゆを動かした。
「申し訳ありませんが、彼らの事に関しては、上から圧力が掛かっていまして」
「そうなんですか」
上の事なんざうっちゃって俺の質問に答えろよ。
と、言いたい所だが、疲れ果てたジーナスの顔を見るに、やめておいた。
学校も色々あるだろうしな。
第二王女を受け入れる代わりに資金援助を受ける、とかやっているかもしれない。
「せめて、性別だけでも教えてもらえませんか?」
「性別……ですか……うーむ」
ジーナスは苦笑した。
相変わらず苦笑の多い人だ。
彼が考えていたのは、一分ぐらいだろうか。
何もしないで待つ一分というのは、長い物だ。
「彼は…………男性です」
最終的にジーナスはそう答えた。
---
結局、フィッツ先輩が男か女か、わからなかった。
ジーナスは「男性」と答えた。
だが、圧力もかかっているみたいだし、色々考え込んでいて、嘘か真かわからない。
ただ、その直前にジーナスはフィッツ先輩のことを「彼ら」と言っていた。
アリエル王女が主体であり、
女二人、男一人の集団を指すなら、
「彼女ら」というのが自然ではなかろうか。
いや、これも屁理屈だ。
言葉の揚げ足取りにすぎない。
理由には程遠い。
「ふぅ」
気づけば、俺は図書館にきていた。
いつもフィッツ先輩と一緒に調べ物をしていた席。
そこに座り、ため息をつく。
「はぁ……」
俺は彼が男であるか、女であるかを知ってどうするのだろうか。
仮に女だったとして。
告白でもするのだろうか。
告白?
好きですというのか?
この俺が?
それはそれで大事だとは思うが……。
しかし、何か違う気がするな。
そうじゃない気がする。
大体、告白した後はどうしようというのだ。
後。
そう、後だ。
俺の今の体で、どうしようというのだ。
俺のクレーンは反応しないが、ガス欠というわけではない。
頭の方は煩悩で満タンだ。
いずれ我慢できなくなる。
できないのに我慢できなくなる。
自分が辛くなる。
そうだ。
俺は愛とか恋とか、そういう何にでも使える便利な言葉でごまかしたりはしない。
俺はフィッツ先輩としたい。
色々とだ。
あんな事やこんな事をしたいのだ。
いや、そこまで行かなくてもいい。
「せめて自家発電がしたい……」
と、その時。
ポンと肩を叩かれた。
顔をあげる。
後ろを振り向く。
そこに、フィッツ先輩がいた。
「何をしたいって?」
フィッツ先輩が、小首をかしげて、俺をのぞき込んでいたのだ。
「うおぉ!?」
驚いて、立ち上がる。
イスが、足に引っかかった。
「わっ、危ない!」
フィッツ先輩が手を伸ばす。
俺の手を掴む。
しかし、フィッツ先輩の力では、俺を支えきれなかった。
「うわあ!」
もつれるように、転んだ。
椅子を巻き込んで、机を大きく押し出しながら。
俺たちは倒れた。
気づけば。
俺の上に、フィッツ先輩がいた。
俺はフィッツ先輩を抱きかかえるように、転がっていた。
「……」
「……」
極めて近い距離に、フィッツ先輩の顔があった。
サングラスでその表情はわからないが。
しかし、その鼻梁や、薄い唇が目の前にあった。
軽い。
が、しかししっかりとした人の重さ。
そして人のぬくもりを、俺に伝えてくる。
ふわりと、いい匂いが鼻を刺激する。
フィッツ先輩の匂いだ。
一日中嗅いでいたいと思う匂いだ。
俺の手はフィッツ先輩の腰と尻に回っている。
細い腰だ。
とても男とは思えない。
尻肉は女性にしては少々薄く感じたが、
しかし柔らかい。
とても男とは思えない。
これを触っているだけで、俺の悪い子ちゃんがムクムクと。
ムクムクと……。
あ。
「あ、ご、ごめっ」
顔を真っ赤にして、慌てて謝り、立ち上がろうとするフィッツ先輩。
「フィッツ先輩……やっぱり女だったんですね……」
フィッツ先輩が、ハッとしたように顔をした。
口をパクパクと動かし。
最後には、首を振った。
「ち、違う……ぼ、ボクは男の子だよ!」
フィッツ先輩は慌てて立ち上がり、そして、そのまま数歩後ずさり。
踵をかえし、走り去った。
あっという間だった。
「…………」
すぐ脇のテーブルには、数冊の本が置いてあった。
いつぞやのように授業の資料でも取りに来たのかもしれない。
フィッツ先輩は女だった。
重要な事だ。
とても重要だ。
しかし、そんな重要な事より。
そんなことより。
「立った……」
この約三年間。
うんともすんともしなかった、不動なる者が、立っていた。
今の接触で、この数年、挫折し続けていた者が、立っていた。
右手で触ってみると、雄々しくも確かな感触を返してくる。
「…………そうか」
俺はこの時、初めて人神の言葉を理解した。
なるほど、確かに。そういう事なら、図書館で調べるべきだろう、と。
そして、
「でも、フィッツ先輩は隠しておきたいのか」
と、一人つぶやく。
フィッツ先輩が何かを隠していたのは、最初からわかっていた。
男装をして、王女の護衛で。
何かを隠していた。
事情はあるのだ。
確かに立った、大地に立った。
しかし、俺は、これ以上は踏み込めそうもない。
俺が踏み込めば、迷惑になる。
せっかく男装までして正体を隠しているのに、俺のせいで正体がバレるかもしれない。
迷惑だ。
俺はフィッツ先輩が好きだ。
そんな好きな相手に事情があるとする。
その事情を、俺の事情で暴くべきなのだろうか。
この数年ぶりに煮え滾っている欲望を、ぶつけるべきなのだろうか。
否だ。
俺がすべきなのは、フィッツ先輩の正体を暴く事ではない。
秘密を守る事だ。
事情を汲んでやる事だ。
ていうか、そうでもしないと、
「黙っててやるから今晩俺の部屋に来いよ」とか言ってしまいそうだ。
今までお世話になったフィッツ先輩に、そんな事を……。
ああ、でも言いなりになって、俺の前であの分厚い衣装を一枚ずつ脱いでいくフィッツ先輩。
「そんな人だと思わなかったよ」なんて悔しそうに言いつつ、下着姿になって……。
どんなパンツ履いてんだろ。やっぱ白かな。
そして最後の一枚を……。
いやいやいや。
いかんいかん。
それはいかん。
彼……いや彼女には何度も助けられたじゃないか。
その恩を仇で返すなど、許されざることだ。
大体、「そんな人」だとは思われたくないしな。
俺は紳士だ。
よし、今まで通り、出来る限り男として扱おう。
そして、もしバレそうになったら、それとなく助けてやるのだ。
そう、入学初日に彼女が助けてくれたように。
きっと、あの時だって、危なかったはずだ。
寮の協定に口出しをして、自分の立場をふいにしそうになったはずだ。
でも、彼女は俺を助けてくれた。
なぜかはわからないが、とにかく助けてくれた。
もし似たような状況になったら、次は俺の番だ。
俺がフィッツ先輩を、助けてあげるのだ。
「まてよ、女だとすると……」
と、そこまで考えて。
ふと、思い出した。
今まで、ずっとフィッツ先輩を男だと思って言ってきた、シモネタの数々を。
例えば、奴隷市場でのセクハラ発言とか。
リニアとプルセナを捕まえた時のセクハラ発言とか。
杖を持たせてのセクハラ発言とか。
悶えた。
---
悶え終わる頃、息子はまた引きこもりに戻っていた。
揉んでもさすっても、出て来なかった。
床ドンをしてこないだけ俺の時よりマシだが……。
せめて1回ぐらいは、1.21ジゴワットの電力で時空間を超越するような快感を得ておきたかったのだが……。
どうやら、まだ完治には程遠いらしい。
まあいい。
兆しは見えたのだ。
焦らずに行こうじゃないか。
とりあえず、今から自室に帰ってさっきの感触を思い出す所から始めよう。
--- アリエル視点 ---
またシルフィが泣きついてきました。
「うぅ、男って、男の子だって言っちゃったよぉ……。
せっかくのチャンスだったのに、ルディから踏み込んできてくれたのにぃ!」
「…………それは大変でしたね」
こうして泣きつかれるのはこれで何度目でしょうか。
シルフィは、事ある毎に一喜一憂し、私に泣きついてきます。
私には、それがタダの惚気にしか聞こえません。
時には、ルディとお出かけだといって奴隷市場に行って、
そこでルディの格好いい所を見ただの。
裸の男性をまじまじと見たのは初めてだっただのと惚けたり、
シーローンのザノバ王子とも少し仲良くなったとはにかみながら笑ったり。
時には、ルディが本気で怒ってリニアとプルセナを監禁したと報告し、
いくら決闘で勝ったからって他人のものを壊しちゃダメだよね、と憤慨したり。
時には、ルディって結構経験あるらしいんだよ。複雑な気分だけど、ルディなら当然かなぁ、と溜息をついたり。
時には、ルディが恋愛相談してきた、どうしよう、もしかしてルディって好きな人いるのかなと不安がり。
その時に、自分の事を棚にあげて偉そうな事を言ってしまったと凹んだり。
時には、ルディに杖を持たせてもらった、魔石がすっごく大きくてびっくりした、あれ絶対に高いよね。
あんな凄い杖の運搬を任せてもらえたって事は、ボク結構信用してもらってるのかな、とウキウキしたり。
時には、バーディ様と戦ってる時のルディ、カッコ良かったな……見ててボク、ぽーってなっちゃったよ、と惚気たり。
時には、ルディはサイレントの研究に手を貸すから、もう二人っきりになれないんだ、と寂しそうに言ったり。
そして今日にいたっては、アレを押し付けられたのに嘘をついて、逃げ出したと泣いて。
(はぁ、もう、さっさと正体を明かせばいいのに……)
この頃になると、私のルーデウスに対する認識も改まっていました。
当初は腰の低い卑屈な奴だと思っていましたが、
あくまでそれはポーズにすぎないとわかってきました。
シーローンの神子ザノバを配下に置いて、
大森林の姫君、リニア・プルセナにボスとして慕われ、
ミリス教団教皇の孫クリフに一目置かれ、
不死身の魔王バーディガーディを打倒して懇意となり、
そして、私の協力願いを蹴ったあの気難しいサイレントにも協力を取り付けた。
特別生は、私が仲間に引き入れようと思い、断念してきた者達も多いです。
それらをすべてひっくるめて、ルーデウスが率いている。
卑屈なだけでは、こうはならないでしょう。
以前懸念にしていた「噂が綺麗すぎる」という点については、もう疑ってはいません。
ルーデウスの魔術で、不死身の魔王バーディガーディは爆散しました。
爆散。
爆散です。
硬い闘気によって守られし魔王を、一撃で爆散させたのです。
私が恐れ、自分の手に余ると思い、何も出来ず、ただ見ているしかなかった存在を。
一撃で爆散させたのです。
強すぎます。
でもあれならば、確かにはぐれ竜の一匹や二匹は倒せるでしょう。
そんな強さを持つというのに、彼は極めて温厚です。
下着泥棒の冤罪で女生徒に恫喝された時も、彼は決して怒らなかった。
彼がこの学校に来てから本気で怒ったのは、あのリニア・プルセナに対してだけだといいます。
具体的に何をしたのかというと、監禁して顔に落書きをしただけと聞いております。
しかし、あのリニア、プルセナは異常なまでに怯え、従順になりました。
きっと、彼の怒りを間近で受けたのでしょう。
魔王を一撃で倒せる者の怒りを。
もちろん、彼女らはルーデウスの悪い噂など流してはいません。
というか、悪い噂など、怖くて流せないのでしょう。
ルーデウスは常に下手に出続け、隠れるように生活しています。
あれだけ強いのに。好き勝手出来るのに。
その理由は、わかりません。
正直、考えれば考えるほど、ルーデウスが何か悪い事を企んでいるような気がしてなりません。
けれども、シルフィの話を聞く限り、彼は悪い人物ではありません。
先日初めて間近で顔を見た時も、『フィッツ』に対する暖かな親しみのようなものを感じました。
外見は胡散臭いけれど、親しい相手には優しい人物なのでしょう。
一発で見破られたので、警戒して少々悪い態度を取ってしまいましたが、
その後のシルフィへの態度はさほど変わらなかったと言います。
未だ不透明な部分はありますが、
彼と、そして特別生全員と丸々繋がりが出来るのは、大きすぎるメリットになります。
今こそ、正々堂々真正面から頭を下げ、協力を願い出るべきなのかもしれません。
でも……。
ハッキリ認めましょう。
私は彼が怖い。
怖いのです。
あれを怖がらないのは、シルフィが強いからでしょうか。
それとも、彼の本質を見抜いているからでしょうか
シルフィの嬉しそうな顔を見ていると、
ルーデウスを私の政権争いに引きこもうという気持ちは薄れてしまいました。
私は、シルフィには幸せになってもらいたいです。
私は幸せなど掴めそうもありませんが、
彼女は私の王権争いに巻き込まれただけの子です。
貴族のように責任もなく、ルークのように私に忠誠を誓っているわけでもない。
義理と友情で私にしたがってくれているに過ぎないのです。
力尽き、地に伏せる所まで付き合う必要はないのです。
どこかで離脱し、一人の女性として幸せな暮らしを送れるなら、それが一番でしょう。
シルフィは、納得しないかもしれません。
彼女も私の仲間として、一生懸命やってきました。
けれど、ルーデウスとの恋は、いい機会だと思います。
私がこうして品評するのもあれですが、
ルーデウスは、非常にいい物件だと思います。
シルフィを、我が友を任せてもいいと思える相手です。
シルフィを忘れていたのはマイナス点ですが、まぁ仕方ないとしましょう。
さて、問題はシルフィの恋の行方です。
非常にもどかしい、遅々として進まない、シルフィの恋の行方です。
一年も経つのに、仲良くはなれど進展はしない、そんな恋の行方です。
鈍感なルーデウスに、ヘタレなシルフィ。
見ていて、ただただもどかしい、二人の行く末です。
私は、シルフィはもっとあせるべきだと思います。
シルフィは気づいていないようですが、ルーデウスはいつ誰とどうなってもおかしくありません。
例えば、リニアやプルセナ。
彼女らも、今はまだルーデウスとそうした関係にはなりそうもありませんが、
あと1年か2年もすれば、どうなるかわかりません。
そして、サイレント。
あの気むずかしい仮面女が、ルーデウスには協力している。
シルフィの話では、これもそうした関係ではないようですが。
長い事一緒にいれば、どうなるかわかりません。
シルフィがこうやってグズグズしている間に、
ルーデウスの気持ちが動いてしまうかもしれないのです。
いや、動くでしょう。
少なくとも、ルーデウスには『フィッツ』に遠慮する理由は無いのだから。
……男装をしたシルフィに反応し、「女だったんだ」と聞いたという事は、別に男色というわけでもないでしょうしね。
ふむ。
という事は、『フィッツ』が女だという事にも、どうやら気づいている様子……。
鈍感だと思っていましたが、知っていて無視しているのでしょうか。
いえ、もしかするとこちらの事情を察して遠慮してくれているのかもしれません。
ん? だとすると……今の状況は私のせいでしょうか。
私のせいで、こんなもどかしい状況が作られているのでしょうか。
(なら、私が手伝うのが筋でしょうね……よし)
私はシルフィの恋のお手伝いをすることにしました。