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まじわり輪  作者: がおがおの
第二章 少年期編
17/24

第十六話 六年生の校外学習

「ねぇシエロ!」

「どうしましたかセリカ」

「私たちなら六年生の校外学習に参加は当たり前だよね!」


セリカはレポートそっちのけで校外学習の話で頭がいっぱいだった。


「どうでしょうかね。別に僕は四年生でも問題ありませんよ」

「何言ってるのよ!シエロが四年生なんてありえないわよ」

「そうですかね、、、それより早くレポート終わらせないと帰れませんよ」


そういうとセリカは焦り出しレポートに取りかかった。


「そうだったわ!シエロ先に終わって待ちなさいよ!」

「は、はい」


こうしていつものようにセリカを待って学校を後にした。

そして次の日。

今日は遂に校外学習の行き先の発表だ。

朝からホールに四年生全クラスが集められた。

ステージの中央にはブリジット先生が立っている。


「昨日言ったように今日は校外学習の行き先を発表する」


皆校外学習を楽しみにしているのか、自分が上の学年に混じれるのかでホール内がざわつき始めた。


「うるさい。黙れ」


ブリジット先生の重く怖い一言で、ホール内が一瞬で静寂に変わる。


「まずは今年の四年生の校外学習の場所は、昨年と同様に東の国(アズライト)の末端にあるファタステラで行う」


東の国(アズライト)の末端にあるファタステラ。

ここは大きな山がそびえ立つ東の国(アズライト)一高い山がある場所だ。

確か去年はこの山の頂上で合宿を行ったとか。


「基本的に全員参加だ。来ないものは欠席扱いとする」


今思えばファタステラまでの移動距離を考えれば、一泊二日は中々のハードスケジュールだな。

それとも簡単に移動できる方法があるのだろうか?

そして遂にブリジット先生から、四年生以外の校外学習に選ばれる者の発表だった。


「そして、、、今から名前を呼ばれた者は四年生の校外学習ではなく、六年生の校外学習に参加する権限を与える」


六年生!?

五年生でもなく六年生。

毎年五年生の校外合宿に行く生徒はいるけれど、本当に六年生の校外学習に行ける人が出るとは思ってもいなかった。

当然静寂だったホールも騒がしくなる。


「うるさいと言わなかったか?」


再びブリジット先生の一言で静寂に戻る。


「六年生の校外合宿を選んだのは異例だ。しかしこれは強制ではない。自分が四年生の校外学習に参加したければ勿論そちらに参加しても構わん」


そういうことか。

あくまでも参加権利がある。

つまり選ばれてもどちらに参加しても問題ないということか。


「では発表する」


ホール内の空気はさらに静まり、唾を飲む音さえ響きそうになる。


「一人目、ルージュナ・ヴァーミリオン」


ルージュナ・ヴァーミリオン!?

確かに彼女の火魔術の精度はかなり良かった。

今まで特に大きな絡みはなかったけれど、火魔術には何度も感化されたことがある。


「オッホホホホホ。私が選ばれることは必然。私を評価した先生方を私から評価しよう」


ルージュナは選ばれることに対して驚きは一切なかった。

恐らく相当な実力者なのだろう。

そして二人目が発表された。


「二人目は、シエロ・アルランド」


正直選ばれるだろうとは思っていた。

でも実際選ばれるととても嬉しい!


「シエロ!やったじゃない!」

「ありがとうセリカ。後はセリカが呼ばれるだけですね」

「任せなさい!すぐに名前が上がるわ!」


セリカは選ばれるだろう。

それにしても六年生に混じれるのか、楽しみになってきた。

そしてここでブリジット先生からの三人目の発表がされる、そう思った。


「以上だ」


え、、、以上?

ホール内はその言葉を理解するのに時間がかかっていた。

誰しもが自信もあり、自分が選ばれるだろう。

そう思っていたからだ。

ここでセリカがブリジット先生に聞く。


「先生!以上ってどういうこと!?まだ私呼ばれてないわ!」


ブリジット先生は冷たい表情で答える。


「言った通りだ。今年の六年生の校外学習に行ける権利があるのは、ルージュナ・ヴァーミリオンとシエロ・アルランドの二名だ。それ以外の者はそれに値しなかった。それだけだ」


まさか、セリカが選ばれないなんて思ってもいなかった。

セリカは悔しそうな顔をしていた。

何故私が選ばれなかったのか理解できていない。


「これで集会は終わりだ。各自次の授業の準備を行え。それとルージュナ・ヴァーミリオンとシエロ・アルランドはこの後すぐに、校長室に来るように。解散」


ブリジット先生の声がホール内に響き集会は終わった。


「セリカ、、、」

「ごめんシエロ。私選ばれなかったわ、、、」


相当落ち込んでいるな。


「いやーあの先生見る目がないですね、、、セリカを選ばないなんてありえませんよ!」


なんとかセリカを励まそうと頑張る。

しかし彼女は気づき始めていた。何故自分が選ばれなかったのかを。


「ありがとうシエロ。でも励ましはいらないわ」

「セリカ、、、」

「私は昨日の課題でも先生の求めるものを無視してた。それに縁の練りだって二人に比べれば劣っているのは事実。だから先生は私を選ばなかったのよきっと、、、」

「で、でも別に六年生の校外合宿に行けるだけで、セリカと同じ四年生の校外学習に参加しても僕は構いませんよ!」


むしろ友達がいる四年生の校外学習に参加したいくらいだ。

しかし僕のこの発言で、セリカを怒らせてしまった。


「何言ってるのよ」

「え?」

「何言ってるのよシエロ!」

「えっと、、、」


セリカは目に涙を浮かべていた。


「六年生の校外合宿に行かない理由なんてないわよシエロ!私は、、、私もシエロと一緒に六年生の校外合宿に行きたかった」


僕はなんてことを言ってしまったのだ。

セリカはこんなにも悔しいのに、何が『セリカと同じ四年生の校外学習に参加しても僕は構いませんよ』だ。

僕の大馬鹿野郎。


「すみませんセリカ」

「分かったらさっさと校長室に行きなさい!遅れたら怒られるわよ」


よし、僕は六年生の校外合宿に参加してセリカの為にも得られるものは得て、またセリカに報告しよう。

僕はそうして校長室へと向かった。


コンコンコン


「入れ」


中からブリジット先生の声が聞こえた。


「失礼します」


中に入ると、既にルージュナとブリジット先生、それに担任のリント先生が集まっていた。

勿論校長のリングルス校長もいる。

それにしてもここが校長室か。

部屋は黒と金の二色で統一されており、ゴージャス感のある空間だった。

ブリジット先生がその場を仕切る。


「よし二人とも揃ったな。これから二人には六年生の校外合宿に参加するかを決めてもらう」


ブリジット先生がそう言うとすぐにルージュナが答えた。


「そんなの聞くまでもないでしょう。参加するに決まってますわ」

「そうか。シエロ・アルランド、お前はどうする」


僕も迷わず答えた。


「はい、僕も参加します」

「そうか、ならば二人の六年生の校外合宿の参加を認めよう」


するとリングルス校長が席を立った。


「実に、、、実に久しぶりじゃ。四年生の者が六年生の校外学習に参加するというのは」


ブリジット先生はすぐに後ろに下がる。


「六年生の校外合宿はこの東の国(アズライト)を超え隣国の南の国(アウストラル)の祥雲の平地で行われる」


南の国(アウストラル)!リリア先生の出身国だ。


「祥雲の平地は標高も高く、視界も濃い霧で覆われてしまう。非常に危険な場所じゃ。それでも参加するというのか?」


そんなリングルス校長の警告を聞いても僕たちの意志は何も変わらなかった。


「勿論ですわ」

「はい」


リングルス校長は僕たちの目の奥を見て、頷き席に戻っていった。

再びブリジット先生が前に出る。


「六年生の校外合宿は移動にも多少時間がかかる為、二泊三日を予定している。すでにご両親の元に伝達している。いいかお前たち、選ばれたからと言って浮かれるな。必ず挑戦心を持って参加しろ。以上」


ブリジット先生の話し方は怖いけれど、なんだかんだ僕たちの為に行動してくれているように感じた。

それからは普通に授業を受け、家に帰った。

今日一日セリカとはあまり話さなかった。

学校が終わるとすぐにセリカは家に帰ってしまった。


その後の一か月間、セリカとの距離は少しずつ開いていった。

彼女は相変わらず明るく振る舞っていたが、僕と話す時間は明らかに減っていた。

時々、僕が六年生の合宿の準備について話そうとすると、セリカは話題を変えてしまう。

きっと彼女なりに、自分の気持ちと向き合おうとしているのだろう。


そして一か月が経ち、いよいよ六年生の校外学習が始まる。


「行ってきますお母様、お父様」

「気を付けるのよシエロ。何かあったらすぐに誰かを頼るのよ」

「はい、お母様」

「まさかシエロが六年生の校外学習にもう行くなんて、ソルが知ったらびっくりするぞ」

「お兄様には手紙で伝えようと思います」


僕は母と父に挨拶をして家を出た。

母から貰ったリュックを背負い、セリカから貰った革の手袋を装着した。

校外学習てこともありいつもより早い時間の馬車にのり学校に向かう。

霧がまだ少しかかり、少しだけ寒い。

既に学校には顔も見たこともない、背の高い生徒で溢れていた。


「おっ、君が今回参加する四年生か?」

「おはようございます。今回六年生の校外学習に参加させていただきますシエロ・アルランドと申します」


集合場所に到着すると早速六年生らしき人が声をかけてくれた。


「俺の名前はレン・マート。学年委員長だ。よろしく」

「よろしくお願いします」


学年委員長のレン・マートは優しく僕に話しかけてくれた。

一気に僕の緊張も解けた。


「聞いてるぜ君の噂。四年で俺達六年よりも実力のある天才ルーキーってよ」


いつも誰がそんな噂をしているのか、僕自身はそんな事を言われた事は一度も無いぞ。


「そんな事無いと思いますけどね、、、」

「とりあえず案内するこっちに来てくれ!」


僕は言われるままに着いてく。

すると、少し人だかりが出来ている場所に案内された。


「よし、ここら辺で待機していてくれ。ここは俺のクラスだから何かあったら直ぐに声かけてくれ」

「分かりました。ありがとうございます」


そう言うと学年委員長は直ぐ何処かに消えてしまった。

僕はとりあえず、ここに立って待っていた。

すると直ぐに沢山の人が声をかけてくれた。

基本的には歓迎され、褒められたりしてとりも良い人達だった。

一部を除き。

僕みたいな四年の癖に六年の校外学習に参加する事に対して、生意気な野郎とか思われているみたいだ。


ブラッシュアップ頼む。

なんか端折り過ぎたかな?


【ブラッシュアップ版】


「行ってきますお母様、お父様」

「気をつけるのよシエロ。何かあったらすぐに誰かを頼るのよ」

「はい、お母様」

「まさかシエロが六年生の校外学習にもう行くなんて、ソルが知ったらびっくりするぞ」

「お兄様には手紙で伝えようと思います」


僕は母と父に挨拶をして家を出た。

母からもらったリュックを背負い、セリカからもらった革の手袋を装着した。

校外学習ということもあり、いつもより早い時間の馬車に乗り学校に向かう。

霧がまだ少しかかり、少しだけ寒い。


学校に到着すると、いつもとは全く違う光景が広がっていた。

既に校庭には顔も見たこともない、背の高い生徒で溢れていた。

六年生たちだ。

僕より頭一つ以上大きい生徒ばかりで、その存在感に少し圧倒される。

皆、慣れた様子で荷物を整理したり、友達と談笑したりしている。


(やっぱり六年生は違うな、、、)


僕は少し緊張しながら、指定された集合場所を探した。


「おっ、君が今回参加する四年生か?」


集合場所に到着すると、早速六年生らしき人が声をかけてくれた。


「おはようございます。今回六年生の校外学習に参加させていただきますシエロ・アルランドと申します」


僕は丁寧に挨拶をした。


「俺の名前はレン・マート。学年委員長だ。よろしく」

「よろしくお願いします」


学年委員長のレン・マートは優しく僕に話しかけてくれた。

短く刈り込まれた茶髪に、引き締まった体格。

話し方も穏やかで、一気に僕の緊張も解けた。


「聞いてるぜ君の噂。四年で俺たち六年よりも実力のある天才ルーキーってよ」


またか。いつも誰がそんな噂をしているのか、僕自身はそんなことを言われたことは一度もないぞ。


「そんなことないと思いますけどね、、、」

「謙遜するなよ。ブリジット先生が認めた実力なんだろ?」


レンは笑いながら続けた。


「とりあえず案内する、こっちに来てくれ!」


僕は言われるままについていく。

歩きながら、レンが六年生たちの様子を説明してくれた。


「あそこにいるのが俺のクラスメイトたち。基本的にはいい奴らばかりだから安心しろ」


すると、少し人だかりができている場所に案内された。

六年生たちが輪になって何かを話し合っている。


「よし、ここら辺で待機していてくれ。ここは俺のクラスだから何かあったらすぐに声かけてくれ」

「分かりました。ありがとうございます」


そう言うと学年委員長はすぐにどこかに消えてしまった。

恐らく他の準備があるのだろう。

僕はとりあえず、ここに立って待っていた。

すると、レンのクラスメイトたちが次々と声をかけてくれた。


「君が四年生の?若いのに凄いじゃないか」

「魔術、今度見せてくれよ」


基本的には歓迎され、褒められたりして、とても良い人たちだった。

しかし、全員がそうではなかった。

少し離れた場所から、明らかに僕を見て何かを囁いている六年生たちもいた。

その視線は、決して友好的ではない。


(一部を除き、か、、、)


僕みたいな四年生の癖に六年生の校外学習に参加することに対して、生意気な野郎とか思われているみたいだ。

そう思っていると丁度、その僕たちを嫌う人がやってきた。


「四年の癖に俺たち六年の校外学習についてこれるとでも思っているのか?」

「い、いえ別にそんなことは、、、」

「ちょっと魔術が使えるくらいで調子に乗るんじゃねーぞ?」


そう言うこの先輩は短髪の刈り上げで、首にジャラジャラのアクセサリーをつけている柄の悪い先輩だった。

あと少し前に出れば唇が触れてしまいそうなほど、近づいてきている。

僕は特に怖くはないけれど、ここで変な絡み方をすると後々面倒なことになると思った。

だから僕はビビっているふりをすることに決めた。


「ちょ、、、調子には、、、の、乗っていません」


すると、横から如何にも柄の悪そうなこの男の仲間みたいな女の人が入ってきた。

これは流石にやばいか。


「おい、お前そこどいてくれる?」


これには普通にびっくりした。

その女の人は僕に啖呵を切っている男に向かって言っていた。


「こ、これは副委員長、、、」

「聞こえなかった?」

「すみません!!」


男は女の人の顔を確認するとすぐに、どこかへと消えていった。

それにしてもこの人が副委員長!?

てっきりあの男の連れかと思った。


「悪いね、君たち四年生のことをからかう野郎共が数人いるんだよ」

「いえ、気にしていませんので」

「はっ、やっぱり聞いていた通りただの四年生じゃなさそうだな。私は副委員長をしてるカネリ・イーリスだ。よろしく」


カネリ・イーリス。女性なのに凄くたくましい感じがする。

これこそ六年生のあるべき姿、そう感じた。

それからはリングルス校長が皆の前に現れ、校外学習の開催挨拶をした。

ルージュナも少し前の方で待機しているのが見えた。


「では健闘を祈っておる」


リングルス校長の開催挨拶を終え、これから校外学習の場所南の国(アウストラル)の祥雲の平地へと向かうことになった。

移動手段は馬車ではなく、縁を燃料とした五十人程乗れる大きな乗り物だった。

委員長と副委員長が皆を誘導し、乗り物に乗せていく。


「よし、俺のクラスはこっちだ。席は決まっているから指定された席に座ってくれ」


僕は、ここに来た時に渡された座席の番号が書かれた紙を確認して乗り込む。


「Cの二は、、、ここか」


僕が座る席の隣には、ルージュナが座っていた。

まじか、、、まぁ顔を知っている人が横でまだマシではあるのか?


「ルージュナおはようございます」

「あら?遅刻せずよく来られたのね。オーホホホホ」


僕を何だと思ってるんだ。

遅刻なんて一度もしたことない(多分)優秀な生徒だぞ全く。


「し、失礼します」


僕は席に座った。

委員長、副委員長は一番前にいた。

全員が座り、すぐに出発した。


「そう言えばあなたの友達が、既に校外学習で暴れているらしいわ」

「僕の友達ですか?」


セリカか。

そう言えば、四年生の校外学習は昨日から始まるんだったな。

暴れているって一体どういうことだ。

セリカのことだからまた先生のことを無視して好き勝手にやっているんだろうな。


「セリカのことですかね、、、暴れているっていうのは?」

「よく知らないけど、なんか校外学習の成績が圧倒的トップで突っ走っているとか噂よ」


セリカも頑張っているんだろうな。

選ばれなかったこと、相当堪えていそうだったしな。

まぁ自分のエゴで動いてしまう分、何かに縛られてしまうと良い方にも悪い方にも転んでしまう。

そこを克服してくれたら嬉しいな。

それからそんなに話すこともなく、寝ては起きてを繰り返すこと四時間くらいだろうか。

遂に南の国(アウストラル)に着いた。

僕たちは先生の指示の元、乗り物から降りた。


「ここがリリア先生の地元南の国(アウストラル)か!」


と言っても着いた場所は大きな木造建ての建物が一つ、それ以外はタンブルウィードのような草が生い茂っている。

自然が豊かな国と言われているが、ここだけを見ると信じられない。

早速、委員長と副委員長がクラスをまとめる。

各クラス先生が二名ついているが、極力生徒のみでこの校外学習を行わなければならないらしい。


「よし、とりあえず全員がいることを確認した。今から宿に荷物を預ける。預けたらすぐに同じ場所に集まってくれ」


僕の部屋は学級委員長ともう一人、まだ一度も喋っているところを見かけていない無口な男の人と同じだった。

荷物を部屋に預け、すぐに集合した。

集合すると担任の先生からのお告げがあった。


「では、早速校外合宿を始める。その前に今回の校外合宿の課題を発表する」


移動中に聞いた話では、各クラスによって課題が違うらしい。

課題は校長と各担任の先生が案を出した中からランダムで決まるとか。


「今回の課題は、五人一組となって挑んでもらう。組み分けはこの後伝える」


先生の表情が硬くなる。


「課題の内容はロックサジーの回収。以上だ」


ロックサジーと言えば本で読んだことがあるが、通常のサジーの実が突然変異で岩のように固く、それを食べると生命力が上がるとか。

しかしそんな果実を採集するだけで終わりなのか。


「ロックサジーの提出期限は明日の正午だ。食料も何もかも全て自分たちで管理すること。先生たちは各ポイントにいるが、緊急時以外は動かない」


食料も何もかもか。

まぁでもロックサジーを早く見つけて提出できれば、宿で休めるということだ。

それからは先生から組み分けが発表され、各組で集まった。

僕のメンバーは――


「よし、一応名前だけでも紹介していこうか。私は副委員長を務めているカネリだ。お前らよろしく頼むぞ」


副委員長だ。

これは凄く頼もしい。


「私はノエリア・ヴォイハートです。よろしくお願いいたします」

「俺の名前はルーン・ペームだ!よろしく!!」

「ジドだ。よろしく」


僕と同じくらいの身長の女性と、元気な男性。

それに同じ部屋だった無口な男性だった。

口数が少ないのは変わらないが、名前を知れて良かった。


「シエロ・アルランドです。先輩方の足を引っ張らないように頑張ります」


自己紹介を終えると皆僕を四年生だからといって、嫌う様子はなかった。

皆優しい方たちで良かった。


「よし、自己紹介も終わったことだ。早速、祥雲の平地に向かいロックサジーの採取に向かう。目指すは最速回収。特にレン・マートには勝つぞ」

「副委員長、流石に最速は厳しいんじゃ、、、それに四年生もいますし、、、」

「黙れ。私が一番以外はあり得ない。それにそこの四年はお前たちよりも優秀だ」


流石副委員長だ。

言葉一つ一つがかっこいい。

すると先ほどカネリさんに、ボロボロに言われたルーンさんが小さい声で話しかけてきた。


「なぁ四年よぉ、一番しかありえねぇって言ってるけれど、副委員長の時点で二番手じゃね?」


僕はそんなことを言うルーンさんの背後で、カネリさんがこちらを向いているのに気づいた。


「あ、あのルーンさん?そ、そのう、後ろに」

「何だ?後ろに何かあるのか?」


ルーンさんが後ろを向くと――


「何だ?何か言ったか?」


ルーンさんはその圧倒的なカネリさんの前では何もできなかった。


「い、いや!なんでもありません!」

「そうか、まぁどうでもよいがな」


ルーンさんはしばらく静かになった。

そうして僕たちカネリ組の課題が始まった。

祥雲の平地までは歩いて向かうことになった。


「シエロ君は凄いね!四年生なのに全然私たちに劣らない縁を感じる!」

「ノエリアさんありがとうございます」

「普段どんな魔術を使うの?」

「これといった魔術はありませんが、斬撃系が得意だと思います!」

「ざ、斬撃系!?それって環境依存しない凄い魔術ですよね!!」


環境依存しない?

そう言えばそうだな、そんなことは一度も考えたことなかった。

すると先頭を歩いているカネリさんが立ち止まった。


「おい、雑談はそこまでだ。着いたぞ、ここが祥雲の平地だ」

「ここが祥雲の平地、、、」


目の前に広がるのは、砂漠のような砂にタンブルウィードが一段と生い茂り、砂煙と霧で覆われていた。

ただの平地なのに、砂煙と霧で先が見えない。

少しでも距離を取ると迷子は確定だ。


「今からここに入り、ロックサジーを採取する。くれぐれも逸れるなよお前たち」


遂に六年生の校外学習の課題が始まる。



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