8 至高の時間
閲覧ありがとうございます。
現実サイド
頭を少し上げてゴーグルを外す。体がだるい。ゴーグルを机に置くド気力もないから、ベッドに放り投げてもう一度ベッドに倒れこむ。
「人、いっぱいいたな」
ちょっと、いやものすごく疲れた。なんというか、精神的に。というか、人とまともに話したのはかなり久しぶりではなかろうか。なにしろ普段話すのはあのいじめっ子とその取り巻きである。ちなみに、あの馬鹿はカウントしない。てか、あのおっさんいい人だったな。NPCだから優しいのかな。まあ、プレイヤーじゃなくてよかったよ。プレイヤーとはまともに話せる気がしない。チンピラAは・・・うん、プレイヤーだったら殴っていたよ。危ない危ない。今の時間は・・・17時か、2時間たってる。体感的には1時間ぐらいなのにな。体がべたべたして気持ち悪い。
「・・・お風呂行こ」
動くのがめんどうだ。重い体を少し引きずりながら風呂場に向かう。洗面所で服を脱ぎ、中に入る。ゆっくりと椅子に座り体を洗う。大嫌いな自分を見ないように気を付けて鏡から目をそらしながら。
* *
1時間後
「あっつ~」
あ~さっぱりした。だいぶゆっくり入れたな。まあ、長湯しすぎたけど。でも、汗を流せたおかげでべたべたしない。あれ、うっとうしかったんだよね~。落ち着かないしさ。てか、ほんとに暑いな。冷たいもの欲しい。何かあったっけ?あ、そうだ確か前に買ったアイスがあったはず。少しふらふらしながら冷蔵庫に向かう。冷凍庫を開けて目当てのものを探す。
「あっ見つけた」
いくつかあるアイスの中からバニラアイスを取り出す。棚からスプーンを取ってリビングに戻り、ソファに座る。うん、座り心地最高。
「んじゃ、いっただっきまーす」
ん~冷たくておいし~!!風呂上がりのアイスは最高だよね。暑い中、冷たいものを食べる。これこそ至高の時間。
⦅お腹壊さないように気を付けてね⦆
「ごちそうさまでした!」
う~頭がキーンてなる。アイスってあっという間になくなっちゃうんだよね。あ、晩御飯どうしよう。入る気がしないんだけど。まあ、いいか。んじゃ、19時まで適当に時間潰してご飯食べて、寝る。これでいこう。
ここからはその予定どうりに行動した。
* *
就寝前~
「んん~」
ねむねむ。今日はまともに人を見たから疲れた。あ、そうだ、明日學校どうしようかなぁ。うーん、眠いし明日考えよ。
「おやすみなさい」
ベッドにダイブして眠りにつく。
* *
次の日
「ふあぁぁ」
おはよーございます。時間は6時か。学校どうしよ。2時間半だとどうしても学校行くと間に合わないんだよね。うん、決めた。スマホで学校に欠席の連絡する。
「これでよし」
んじゃ、二度寝しますか。おやすみなさーい。
んー、よく寝た。10時か。ベッドから降りてキッチンでやかんを火にかけてから洗面所に向かい、顔を洗う。
「あーさっぱりした」
それじゃ、12時半まで録画してた動画を編集しますか。洗面所からキッチンへ戻り、コーヒーを入れてから仕事部屋に向かう。
「終わった~」
ぐうぅーー
・・・おなか減った。作るか。キッチンに向かう。食パンを2枚用意して1枚目にチーズ、ハムの順番でのせる。チーズはケチらないほうがおいしくできるんだよね。2枚目は半分に切って片方にバターを塗って、もう片方はそのまま。パンをトースターに入れて3~4分焼く。スープの入っている鍋を火にかける。
チーン
「焼けた焼けた」
パンをトースターから取り出し皿に盛りお盆にのせてから、お椀にスープを盛ってお盆にのせ、棚からスプーンを取り出しお盆をリビングに運ぶ。
「いただきまーす」
あつっ。でも美味しい。
「ごちそーさまでした」
ふう、満腹満腹。キッチンで使った食器を洗う。っと、そろそろ時間だね。寝室に向かう。あ、ベッドにゴーグルを放ったままだった。ベッドに横になってゴーグルをはめる。
〈ストーラーナにログインしますか?〉
「Yes」
〈了解。ログインを開始します〉
〈ストーラーナの世界をお楽しみください〉
意識が沈んでいった。
次回、ゲームサイドです。
話の中に出てきたトースト実際に食べても美味しいですよ。バターを塗ったものにあんこを塗って焼いても美味しいです。胃もたれするけど。
ではまた一週間後にお待ちしています。