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88話 世界に1人で生きてない

 

「それぐらいの光では技を殺せても僕様は――!!」


 それでも光を恐れて一歩下がった。


「今だッ!!」


 はるか上空に浮かぶ緑豊かな島に俺たちは瞬間移動した。

 サンタくんと俺は、である。

 ティラノと目があった瞬間、ほっと一息。


「【スキル:テレポーター エクスチェンジ】 サンタくん怪我してないでしょーね?」

「おねえさ――え、なにが?」

「母ちゃん迎えにきたで、もう大丈夫や」

「母ちゃん!!」


 サンタくんが椅子に縛られたままだが今はいい。

 ティラノの話では【スキル:テレポーター】の技は特殊な条件がつくものが多い。

 目で見えないところに人を一方的に送ることは危険すぎて本来であれば不可能。

 それは交換という特殊な使い方になるとより正確に座標指定できる。人間の大きさにあった同じぐらいの人間がベスト。


「頼んだで―――」



 ※視点変更 カドマツ→ハクア



「え?」


 最高のエンターテインメントである異世界転生者によるスキル。

 それは絶望によって進化してさらに面白くなっていく。

 特に自分なりの正義で守りたい者がある異世界転生者は守るものを失った時。

 子供を殺されれば151番目の転生者(カドマツ)はどう強くなるか見る気だった。

 邪魔が入らないように海底神殿を選んだのだ。

 ここは音が地上に届かないからティラノ自身が来る可能性は低い。

 唯一の手段であるエクスチェンジについても警戒はしていた。目に見えてない場所にエクスチェンジさせる場合は人間なら人間がいる。

 小さな子供をエクスチェンジするには、同じく子供でなければならない。

 レイニーともう1人、誘拐した子供と同じ背丈の子供が現れたのだ。

 僕様が把握する異世界転生者の中にはいなかった―――誰、こいつ?

 気をとられている隙にレイニーが両手を合わせた。


「【スキル:水 監獄】」


 監獄という技名とは裏腹に天井、床と四方すべてに放たれた水が壁を壊した。

 破壊された建物、海水があっというまに広間を飲みこむ。



「【スキル:でんき 拷問道具】」


 海水が充満した部屋で絶対に避けられない電気の攻撃。

 レイニーも同じく巻き込まれて電撃を浴びているが耐久値が向こうは段違いだ。

 強さ信じているからこそ撃てた技かもしれない。


「たのしいなぁ……ッ!!」


 黒焦げの身体が崩れていく、そんなことよりも突如あらわれた子供の姿をした謎の異世界転生者がレイニーを信じて飛び込んできた。

 ココロが踊る、この先を知りたい、身体がもう動かない。



「消えたくない……もっと……」


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