77話 暑い国
サカネさんに教会へと連れてこられた。
シャック、エレナも同行――そんなことより子供たちが裸だった。
子供を任せた魔物がこちらに気付いた。
ぱっと見て、力士にしか見えないが何でそんな姿に変身しているのだろう。
「あ、王子」
「ゴゴさん人間には服を着せるのですよ」
「暑いっていうので、これなら涼しいっス!」
たしかにこの辺りは炎属性の魔物が多く、そのせいで気温が高い。
子供たちが暑いのは本当だとは思うがそれでも真っ裸はまずい。
シャックも子供たちが裸じゃんと眉をひそめてる。
「服は着せておいてくれ、ほらそこに支給品あるだろ」
「ソレ見せて――確かにこれじゃ暑いよ」
「ボロ通りで売ってた服の2倍は厚みありそう」
「近くに服屋か布屋ある?」
子供たちのことなので財布はレイニー(国)が持ち、服ではなく布を買った。
国には子供が少なく、子供服はあまり売っていない。
大量にいるならば布を買って作ると早いらしい。
「ここの20人程度なら1時間もあればいけるかな」
「シャックって裁縫できるんだな」
「雑なものでも女の子まで裸で過ごさせるわけにいかないでしょうが」
ノースリーブの急ごしらえな服が次々にできていく。
けれど布を無駄にしない、男女ともワンピース型で可愛い。
エレナちゃんは小さな子に服を着せてあげている。
「ここから頭を出して、上手だねー」
扱いに慣れているのがよくわかる。一方でゴゴさんは折角できた服を破いてしまった。
子供たちにも怖がられてしまっている。
具体的には距離が3メートル離れた。
「オレっち子供は好きなんすよ?本当なんスよぉ!!」
「子供たちが運べない物を運ぶ以外の指示は出せてませんね」
「確かに結局のところ力仕事が一番よさそう」
「せやで、〈食い物ファクトリー〉までいって食料はこんでやりやー」
「はい!」
食い物ファクトリーは食料が流れつく場所だ。畑でとれた野菜や果物を集めて必要なところに運んでいる。
大量に残った人間用の食料調整のために作った。そして計画は順調。
むしろ食糧問題はほぼ解決したので今は別の問題。
「暑いなら水かぶるとかだよな……プール作るか」
「ぷうる?」
「え、レイニーならプールぐらい作れるだろ?」
「すみません、ぷうるとはどのようなものでしょうか?」
確かにいままで世界にはなかったけど、日本で見なかっただろうか。
レイニーが覚えている記憶からして小学生までは生きていたはず。
学校にプールがなかったということなのだろう。
「泳ぎやすい湖、大きな水風呂」
「あぁ!確かにそれであれば私が近くに作ります」
「……土地あるかな?」
「引っ越させればいいでしょう」
中々に横暴な王様に思えるが魔物たちはレイニーの頼みを素直に聞いた。
ここの国の成り立ちを考えればそこまで不思議でもない。
詳しく知らないサカネさんは「無理しなくてもいいで」と魔物を心配している。レイニーの頼みならば構わないと魔物たちには新しく作ったアパートに引っ越してもらうことに。
「【スキル:水 プール】」
長さは20メートル程度だが子供たちが使うには充分なプールができた。
子供が溺れにくいように、深さも川よりちょっとある程度の深さ。
池のほうが見た目は近いがこの暑い地域ではけっこう望まれていたようで大人も水浴びをしはじめた。
サカネさんも飛び込みこちらに姿を見せ――
「ホンマに暑かったから助かるで」
「服が透けてますって!!」
「ええやろこんなババアの身体がちょっと透けとるぐらい」
お年よりなのは多分本当だろうが俺の股間にテントできてるので旦那さんに悪い。
「あのぉケンタさん、奥さんもろもろ透けてるので隠すように言ってもらえません?」
「僕は嫁の尻にしかれていまして……でも、こういうところも結構可愛いですよ」
惚気が暑くて俺もプールに飛び込んだ。




