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75話 昔の女

 

 レイニーが帰って来る頃にはあらゆる整備を終えておいた。

 しかも帰ってきたはいいものの王子様というよりは召使いのほうがまだ納得のいく見た目。あまりにもボロボロでどんだけこっぴどく叱られたのか一瞬で理解。


「親父のやつレイニーを随分きつく叱ったらしいな」

「俺レイニーがげっそりしているところ初めてみたわ」

「……風俗店に連れていかれました」

「親父のやつ何考えてんだ?」


 いや、俺もそれは分かる。無理やりしかけたのなら無理やりされるということが辛いってこと思い出してもらわなければならない。今回は愛の鞭みたいなもんだろう。

 レイニーの境遇でその考えに至るガゴリグさんもそれはそれですごい気がする。


「ちなみにカミノにも数店舗を増設したぞ風俗店」

「そうですか」

「驚かないんだな」

「それより――ワンズ・シップ様は?」

「血縁上の親父に丸投げした」


 ママン、と呼ばれていたラミィさんがあの子を国王にしてほしいと頭を下げた。

 元々死ぬ気だったのなら王位を彼女に、と。


「しかし、あの肉片になっても生きてるのはどういう理屈なんだ?」

「コアを破壊しなかっただけですよ」

「それ魔王の話だろ?」

「――眠いので話はあとにしましょう」


 ベッドで寝だすレイニーにやれやれとかけ布団をかけた。

 これは子供がお腹だして寝ていたら布団をかけてあげる保育士とかのアレな気分になる。


「へっくし!!」

「風邪か?」


【スキル:ドコドコキノコ】


「やっべキノコ生やし……」


 レイニーのかけ布団から大量に生えているキノコ。

 立派なものが股間のいい位置に生えてる。



「キノコだしセーフ?」

「王子の部屋を毒キノコまみれはアウトだろ」

「それは本当にそう」


 レイニーのベッドに生えたキノコ(下ネタの比喩ではない)をちょん切って兵士たちに処分を頼んだ。

 取り終わるころにはレイニーも起きて食堂にきたので食事。


「しっかしカドマツは#夜の店__・__#についてやけに詳しいよな」

「昼飯中にする話じゃなくね?」

「そうはいってもここ最近、レイニーの暴走も含めてそういう話ばかりだからな」

「経験がそれなりにあるってだけだ」

「あれ、でもカドマツ様って確か仕事の給料がそこまでよくなかったのですよね?」

「普通の時給はあったな、金持ちとは言わないけど……」

「女性を抱くあんな莫大な資金は一体どうやって調達していたのですか?」


 レイニーまで言うか。金銭的に無理そうに思えて単純に不思議なだけだろうけど。


「レイニーあのな、お前、勘違いしてるだろう」

「勘違い?」

「お店の女性たちは5億もかからないぞ」

「そうだったのですね」

「俺の彼女だった――いや、まぁいいか別に」

「そこでとめるな」


 メイドの1人であるキヌさんがお茶のお代わりを注いでくれた。

 キヌさんも聞かせてほしいというのだが『女性にする話ではないし……』と告げたら魔物の姿に戻った


「ミラージュ」

「一反木綿!!」


 あ、だからキヌ(絹)なのか。リボンで飾っているしまつ毛の長さとか顔が明らかに女の子だ。とても楽しそう。


「それでそれで? こういう恋バナ大好きなんですよッ!!」

「いやーなんで俺が夜の店に詳しいのかって話だし……」

「で、元カノさんといつ出会ったの?」


 人(?)のことを言えた口じゃないがプライベートずかずか聞かないでほしい。


「出会った場所なら別にいいんじゃないか?」

「高校の同級生だけど、レイニー最後どうなったか知ってるだろ?」

「知っているからこそです。何故そこまで彼女のことで怒って家を出たあなたがそうなるのか不思議なので私にもお聞かせください」


 口をすべらせたのは俺だし仕方なく話した。


「彼女の憧れだったんだよ」

「何がです?」

「日本にはエロいことする女優は大勢いて、俺の彼女は憧れていたんだ」

「本当にいたかどうかも怪しかったのに余計に怪しくなりましたね」


 キヌさんが首にまきついてきた。ぐるじぃ。


「続き話してくださいよー!!」

「……ヤ、めッ(死ぬ)」

「おっと興奮してつい」


 やめてくれたが、首を絞めすぎて他の人が死なないように注意しておいた。

 キヌさんは元気よくはーい!と返事。


「続きだけど、俺は彼女みたいに夢に向かう人ってすごく眩しく見えて――たまたまその秘密を知ったもんで応援するって、言ったらなんか練習としてそのままアレの流れに」

「あれか」

「あれですね」

「アレしたんですね」


 スケベな話のはずなんだけど初体験の話こんな恥ずかしいの何で?


「性的なことを仕事にしている人たちをバカにする両親と喧嘩して家出したから」

「だから店にいくことに抵抗なかったのか」

「でも店が悪い時は悪いっていうからな俺は」

「……ちなみにどういう店をこの国に建てたのです?」


 どういう―――


「〈あなたの魔物をお世話します~やり放題店~〉」

「ワタシもやってみたーい!」

「いや、その……」

「別にやりたいならいいのでは?」


 首絞めプレイで客が死にそうで怖いという前代未聞の理由で嫌だ。



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