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69話 屋敷の中

 

 レイニーのことをレイニーくんと呼ぶ謎のご婦人。


「どこかでお会いしましたか……?」

「俺も知らんしカドマツも知らないのか」

「初めましてだと思う」

「異世界転生者――ではなさそうですが、どなたかの子孫なのかもしれません」

「なるほど」


 レイニーほどの老人に『くん』と呼ぶなら初代の子孫ですかね、とレイニーも困ったように聞いていた。でも今はご婦人の足が完全に治ってない現状をどうにかしなければ。


「まーそれはともかくその足じゃまだ歩けないですよね? 家まで送りますよ」


 ウルフの方が安定するが俺が背負った。だって、俺が言い出したことだし。


「お前1人にする訳にもいかん、レイニーついてってやれ」

「ウルフも一緒に行こうぜ」

「肥料はあとにしましょうか」


 案内に従って港から離れた森の奥に向かう。

 道中で出会った人にこの先は地主がいる豪邸があるだけだが何用かと聞かれた。

 その地主は俺が今背負っているご婦人の息子さんだと言う。


『ああ……何だ、最近は人さらいが多いからてっきり、悪い』

「足を怪我したので親切な人に運んでいただいているのです」

『あんたら運がいいぞ、なにせ息子が金持ちでマザコンだからたんまり謝礼くれるだろうよ』


 別に謝礼目当てではないのだがと苦笑いしつつ奥へと進んで来た。

 何故こうも金持ちは奥まった箇所に住みたがるのかと思いつつも屋敷が見えた。

 周りが墓地でお化けが出そうと怖くなっていたが、中から出てきた焦った様子の中性的な男性が襲い掛かってきた。


「ママンから離れろ!!」

「どわ!?」


 ウルフが男性の拳を止めてくれたので怪我もない。

 あまりのパンチの速さに驚きはしたものの誤解を解こうと背負っていたご婦人を襲い掛かってきたよくみたらイケメンに渡した。


「この人たちは怪我をしていた私を治療してくれた親切な方々ですよ」

「え!?僕ちんてっきり……す、すみません」

「あんた、強いな!?俺が痛いって思うぐらいのパンチだったぞ!?」

「さきほどの様子からして異世界転生者の子孫でしょうね」


 お礼がしたいのでと屋敷の中へ案内された。

 広い部屋へと案内される。


「先ほどは本当に失礼しました―――僕ちんは地主のワンズ・シップです」


 ワンズさんにお茶とこの国ではよく食べられているらしいパイナップルをいただく、あまずっぱくてとても美味しい。でも正午にもお茶を飲んだせいか――

 尿意がどう頑張っても我慢できそうにない。


「あのぅ……トイレ借りてもいいですか?」

「案内しますよ」


 異常に立派なトイレに案内された。

 どうやら川に落としている形式のトイレで流さなくても流れて行った。

 落ちたら助からないと言われた穴ほり式よかレイニーのスキルをかんがえると――いやスキルを便所に使うのどうなんだろな?

 ちょっと考え込んで長くなってしまった。


「スッキリ……いねぇ」


 用を足してトイレから出てきたのだが屋敷は結構広く、どの扉の部屋で食事していたか覚えていない。そのため近くにあったドアを開けた。

 どうやら地下室に通じているようだが、それよりもわずかに誰かがうめくような声を出しているのが聞こえる。


「だ、大丈夫ですか!?」


 さっきのご婦人が何かを取りに行こうとして足でも滑らせていたらと思い降りることに。

 指先もろくに認識できないほど暗いが【スキル:ライト】で照らしたので奥まではっきりと見えた。

 地下には人がを入れた檻があった、さらにいつのまにか俺の背後にワンズさんが立つ。


「すみません、驚かせて」

「えっと」


 さらにその後ろから2人がきていた。


「カドマツ様が遅いので心配してきてみましたが―――あれは?」

「ここは罪人たちの牢屋です、ニカナの極悪人を地下に入れる代わりに地主をしてますので……」


 牢屋の中でうめいたいた人たちは目がトンでいて、違法薬物でも使った様子。

 昔このニカナにきた時もレイニーが薬で変になっていたし犯罪者ならなにもおかしいことはない。

 女性ばかりでやけにデブ……いや失礼だな、ふくよかである。


「ありえないだろ‼」

「ウルフ?そこまで変な話じゃなくね?」

「こいつら全員ッ妊娠してるだろ‼」


 言われてみれば確かに彼女たちは腹ばかりが大きい。

 指摘されても平然としているワンズさん。


「それはまぁ……彼女たちが勝手にやったことですよ」


 確かに檻の中には男性もいるようだ。

 えっちな本ではあるまいし男女ぐらい牢屋を分けたほうがいいと思う。

 何で一緒なんだ?


「赤ん坊に罪はねーだろ!!」

「ニカナにこどもを保護する施設なんかないけど、ひきとるとでも?」

「うっ……カドマツ、お前この国の国王と友達なんだよな!?赤ん坊だけ助けられないか!?」


 ウルフさんの過去を知っているとこの焦りも分かる。

 ノアの赤ん坊だけでも助けられたら良かったと後悔をずっとしていたから。


「え、こく……?」

「俺がここの国王を助けたのが縁で友達なんだよ」


 うん、嘘は言ってない。


「キノコで死にかけていたホンイツを俺は助けたし」

「助けた!?」

「もう健康だから、王様が何かあると聞けばヒヤッとす――」


 フレンドスキルで赤ちゃんをカミノ王国で育てることにしていいかとホンイツに連絡しようとした。

 それより前に#俺を庇った__・__ウルフ#が壁を壊すほどの威力でぶっ飛ばされた。


「ど、どういうこと!?」


 ウルフの飛ばされた位置があともう少し先だったら便所の真下だったので落ちなくて良かった。

 嗅覚がするどいウルフがそんなところに落ちれば大惨事である。


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