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67話 新しい国民たちの暮らし

 

「サカネさんが住む場所ですが、石作りの建物が多い町がありますのでそこにして下さい」


 どうして城では駄目か聞いたところ、レイニーは子供が苦手らしい。

 苦手というだけで追い出すのは可哀想な気がして詳細を聞いた。

 例えば声が五月蠅くて苦手だったりするなら【スキルカード:防音】など対策は可能だ。


「城の窓から子供が落ちれば即死だと思いますが、本当に城で育てたいですか?」

「よーし安全なお家を探しに行こうなー」


 俺は前世で子供どころか未婚のまま生涯を終えた。

 なので子育てに対する理解が足りない俺が余計なことをするのはやめたほうが良さそうだ。


「おじちゃんまた肩車して」

「サンタくんは肩車が好きだな」

「したらアカン」

「エ?」

「こういう移動の時は全員がされたがるから大変なことになるんや―――」


 サンタくんの他にニタくん、ヨンタくんが自分も肩車で運んでほしいと騒ぎ出した。長男のイチタくんだけは我慢していて健気だ。


「なら全員、肩車してつれて行こうぜ」

「話きいとったんか」

「俺らで連れて行くから大丈夫、グラドさーんちょっと手伝って!」


 こうして皆でサカネさんの子供を肩車して城下町へ移動。

 俺はイチタくんを肩車した。思ったより子供は重い。

 でも頑張った、途中で本当に平気?と心配そうだったけど何とか運びきった。


「おじちゃんありがと!」

「子供にこういうことしてやるの夢だったんだよ」

「……子供? お嫁さんいないの?」

「今はいねーな」

「振られたの?」

「……そんなところ」


 実際はもっとすごい話なのだが子供にする話でもないので誤魔化した。

 サカネさん一家は石作りの広い空き家に引っ越しが完了。

 夜には近くのレストランで引っ越しの歓迎会。

 やがて子供たちが寝静まったあと。家の外で別れ際に質問された。


「で、何で彼女にフられたん?」

「サカネさんそういう話、好きなんですね」

「浮気でもされたん?」


 子供たちが寝静まってるからいいか。


「――亡くなりました」

「魔物にやられたんか?」

「……高校生の時に首吊り死体が部屋にあって、『ごめん』の手紙だけが俺に残されてました」


 それが大喧嘩して家を出たきっかけになった。

 彼女を悪く言う親にキレて俺のことであれば耐えてきたことが耐えられなくなった。

 家を出られなくても良かったから彼女には生きて、それで普通の家庭というものを経験したかった。

 今までレイニーにも話していなかったことを酒が入ってつい口を滑らせてしまった。


「生前に彼女がいたことも初耳なのですけど」

「俺だって話す気はなかったんだけど、つい」


 翌日に何か問題がおきてないかと見に行くと火事。……ではなく火遊び中。


「どうだ!?」

「俺の方が火力あるだろ!?」


 サンタくんと火を吐く魔物(人間の姿)が炎を比べしている。


「どっちも同じぐらいにしか見えへんわ」

「シュボさんです、炎の魔物たちのまとめ役の方ですね」

「ワシ隣の家に住んでるシュボじゃ、ミラージュ」


 魔物の姿は巨大な亀に変わった。

 甲羅の背中部分が地面のように平らで子供用の乗り物にも見える。

 というか子供たちがあっというまに皆のぼってしまった。


「こうなる気はしておったわい」

「シュボさん子供好きなんですか?」

「……本物の子供については分からん」


 ごく普通に往来を人々が行き交う。

 パパやママと呼ぶ子供たちに偽物の子供と彼らは言う

 そうかな?


「全員が養子なだけで偽物ってわけじゃねーと思う」


 羨ましそうにこっちを見る子供がいた。

 抱きあげてシュボさんの甲羅に乗せてやると嬉しそうだ。


「もう1人乗せていいですか?」

「既に乗せておるではないか……!」

「ウチらは必要なもの買い揃てくるけん子供たちたのんだでー」


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