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50話 シャックの妹

 

 かつて一緒に旅をしたメンバーがカミノ城に集められた。

 食堂で大きな長い机を皆で取り囲む。


「急に呼び出したかと思えば、いったいどういう状況なのよこれ?」


 怒った様子のティラノさん。

 詳しく聞かずに城へきて欲しいと頼んだウルフに応えているのでツンデレというタイプの女性なのだろう。ツンの部分が気にならないぐらいの放漫な胸にどうしても目が引き寄せられる。いや、引きよせのスキルを持っているのはシャックだが。


「皆が集められたのはレイニーがさっきから裸なのと関係がある訳?」

「シャックも知らないってことね」


 様子のおかしかったレイニーが真面目な顔で問いかけた。


「あなたたちに兄妹はいますか?」

「裸の男に聞かれる質問とは思えないけど、前世の話かしら?」

「孤児院の子たちは皆家族だと思っていたよ」

「シャックのこと『おにぃちゃん』って呼んでた小さくて可愛い子だろ?」


 けっこう仲が良さそうだしシスコンぎみに妹は渡さないと言われるだろうと思った。

 シャックは首をかしげていかにも変なことを聞いた『は?』の一言。

 孤児院の家族は血がつながってないから妹ではないあるいは実は男説。


「僕の家族はもう皆死んでしまったから」

「ごめん、じゃあ俺が見た子ももう死んでるわけか」


 ウルフが机をヒビが入るぐらい強く叩いた。


「そいつは違う‼」

「君が怒っても、あの火事で皆は焼けてしまったし」

「お前は『#ボロ通り__・__#』で燃える炎の中で意識を失い、気が付いたら病院だった」

「まぁね」

「お前を病院に運んだのはお前の妹だった」

「はい? 誰のこと?」


 一緒に旅をしていたのに何故こういう反応になるのか。

 小さかったがシャックを『おにぃちゃん』と呼ぶ女の子。可愛がっていた存在を忘れるのは変だ。

 本当に存在したのかさえこうなると疑問だ。

 ウルフはかなり焦った様子で、声を大きくした。


「お前を背負った彼女が『おにぃちゃんを助けて』と俺に懇願していた筈なんだッ!!」


 ますますシャックが困った顔。

 いったい何を言われているのかという感じだが。

 けれど表情は少し晴れていて、もしこの話が事実なら死んだと思っていた家族が生き残っているのだ。


「先ほどカドマツ様がウルフさんの過去を覗こうとして、変な物が見えました」

「俺は全く覚えていない建物だったが、そこにはシャックと親し気な幼い女の子がいたんだ」

「はぁ!?」

「アタシらも知らない話なのに、新人転生者が作り出した幻覚とか考えないワケ?」


 そこでもう一度ウルフからスキルカードを受け取ることに。

 あっという間に夢にダイブした。

 先ほどの続きではないが、問題の女の子はいる。



「【スキル:でんき サンダーランス】」


 雷の矢が魔物を貫き木の上から現れたのは小さな少女。

 皆で何故エレナがここにと驚いた様子。

 シャックは怒っているようだ。


「あたしも旅についていくからね!」

「危険な旅だからと言っただろう!?」

「じゃあストーカーするもん」

「エレナはまだ子供なのに連れて行けるわけが」

「あたしだって異世界転生者だから身体は頑丈だもん!!」


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