46話 ひきこもりニート最高!!
皆でトランプに興じている最中にノックの音。ベッドで車座になってダウトをやっているところだが、俺とグラドで最下位をめぐり対決中。メレンゲさんは最初に抜けレイニーはダウトどことか数字も言ってくれなかった。
「何故こうなるのだ?」
ウルフさんが扉を開けて入って来た隙に1枚出した――グラドはすかさずに
「それダウトだ」
「また最下位ッ!!」
そういえばとウルフさんに王子だというけど国王はどうなっているのかと問いかける。
レイニーに聞かないのか?と言われたがレイニーは今受け答えがハッキリしない。
ダウトやってればダウトぐらいいえるかなーと思っていた。
「国王に会うならレイニーが正気に戻ってからのほうがいいぞ」
「あ、別に国王いないんじゃないのか」
「地下にいることにはいるんだが、アイツについての説明となればこの国の生い立ちから説明せにゃならんしな……」
確かにレイニー正気に戻ってからのほうが良さそう。当の本人は同じ言葉を繰り返す。
「ここから出ないで下さい」
「今はBOTみたいになってる」
「ぼっと?」
ウルフさん昭和の時代を生きた人だったので知らないのも無理はない。
同じことをしゃべり続ける機械のことだと説明したがピンと来ていない様子。
毎日スーパーでスピーカーから『新鮮なお魚売ってます』と決まった時間に放送されるああいうやつですという説明で何となく分かってくれたらしい。
「これで9回連続最下位だし、ダウト向いてないのかな俺」
トランプをシャッフルする。今度はウルフさんにも配る。
イカサマでもするスキルがあれば話が変わるかなとスキルブックを出した。
パラパラとめくって何かないかと探した結果。
「スキル:ハリツケテクスチャー #12__クイーン__#です」
「カドマツお前そんな堂々と」
「ダウトしますか?」
「する」
そして場から取り上げたクイーンなのだが、裏がしても振ってみても、何をしてもクイーンのまま。
何故なら俺はそんな役に立つスキルなぞ持っていない。
引っかけるゲームでは引っかかったほうが悪いのだ。
「よっしゃ!!」
グラドさんもメレンゲさんも、10回やって初めて勝ったくせによく言う……と呆れた目。
トランプを片づけて、ウルフさんと今後について相談することに。
レイニーは出るなとしか言わないし。
「出なきゃ解決なら出なきゃいいじゃん」
「閉じ込められて窮屈だろう」
「快適な暮らしを満喫してるけど……あ、ウルフさんにお土産買ってきたんですよ」
ニカナで買ってきた犬用と書かれた首輪を渡した。
怒るかと思いきや真顔でつけてくれる。
そして思った通り似合う。
「欲しい物があれば言ってくれ」
「焼肉セットとワインとビールと肉は牛がいいあと――」
「待てせめて紙に書いてくれっ!!」
欲しい物を紙に書いて渡した。
こういう甘えられるのが分かった時はずーずーしく生きる、人生のコツである。
ウルフさんは買い出しに出かけていったし、ダウトは10回やって俺が最後に勝利を飾ったし、さて今度は何するか。
「スキルでも試すか」
「レイニー様がこの状況なのにか?」
「危険性がなさそうなやつで」
トラウマ人形を召喚したのだが、前回出した時より大きくなっていたし魔物と見間違える程度には立派。
だが顔だけは相変わらず子供を泣かせそうなデザイン。
今なら【スキルカード:ドール】で動かせるのでは?
「えっそれは」
「【スキルカード:ドール えーと オートシミュレート】」
結論から言うと、虎で馬なぬいぐるみが城の壁を破壊して逃げた。




