26話 ティー王女の案内
「まず腹ごしらえだよな」
「そうですね」
「美味しいレストラン知りません?」
王女様の顔はポカンとしていてお付きの兵士たちもポカン。
お昼ごはんが食べたいだけなのに何故こういう反応になっているのかと俺もポカン。
一日二食だけの文化な国も聞いたことがあるので、ジーンズ王国には昼飯という概念が存在しない可能性?
「あとパンジーさんは生きてます?」
「ええと――カドマツ様との関係はどのようなものですか?」
「一緒にエンガオウ討伐に参加した人で、酷い火傷をされてて心配で」
「火傷で運ばれた患者たちは皆助かりましたよ」
なら良かった、見舞いに行こう。
「なら果物でも買いにいくか? それならさすがに場所分かるだろうし」
「そうですね」
ともあれ、まずは食事。
1階に降りるとギルドからお昼ごはんが俺とレイニーへと提供された。さっきレストランを聞いた時に皆がおかしな顔をしていた理由はこれかと納得した。
このジーンズ王国では異世界転生者はギルドでの食事が無料らしい、サービスが良くて助かる。
「魚ひさしぶりに食べた」
「カミノには湖や川がありませんからね」
「砂漠っぽい国だけど魚が取れるのか?」
「海が近いので」
「ここの国をざっとみてまわったら海にも行きたいんだけど」
「なら貿易の船に乗せてもらって次の国へ向かうのがいいでしょうね」
姫を待たせるのも悪いのでさっさと食べて出発した。
まさか本当に王女みずから案内をしてくれると思わなかったが、護衛の兵士たちを引き連れぞろぞろと街を見て周る。本来であれば王族とはそうやって守っていなければならない存在であり、レイニーのほうがおかしいと改めて思いなおした。
「お召し物でしたらここの通りでお求めになれるかと」
「わぉ!? 何この縫い付け!?」
「売り物には勝手に触らないでください」
「おっと……」
服屋には衣類のほかにもターバンや絨毯などが売られていて、初めて見る模様だったり、宝石らしきものが埋めこまれていたりとどれも細工がこっていて本当に楽しい。
道路で楽器を構えて帽子をひっくり返している人と目があった。どう見ても金を払えば一曲弾いてくれる人だ。カミノのお金って使えるのかな。
「一曲1000マルで弾けます?」
『えっ!?……ヒケマス』
「この地域でよく聞くメジャーな曲とかあれば聞きたいです」
民謡みたいな曲で5分弱の演奏をしてくれた。
約束通り1000マルを払って、本当は100マル程度で弾いてくれたことをレイニーから教えられた。
食事の値段もカミノに比べ半分ぐらいでそこまで相場が違うのなら先に言って欲しかった。
次の店を見ればスキルカードの店。
そういえばエンガオウ討伐作戦で治療のスキルカードを濡らして駄目にしてしまったので補充しておかなければ。
【スキルカード:砂】
「何これ?」
「家に積もった砂とかを払うときに使うスキルカードですね」
「変わった掃除用具だな」
治療のスキルカードを見つけ、店員に値段を聞く。
何故【治療】のスキルカードほしいのか?と理由を尋ねられたので、エンガオウとの戦いで持っていたカードを全部使切ってしまったことを話した。
やっぱりかと国を守った英雄ということで定価よりも安い値段で売ってもらえた。
王女様にどんどん店を案内してもらい、いろいろとジーンズ名物を見たり買ったりした。
「郵送ってできます?」
「宛先はどちらに?」
「カミノにいるウルフさんに。この服すごく似合うと思って」
「布などに包み、投げ入れる方式でよろしければ大砲でお送ります」
「大砲?」




