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20話 レイニーの待ち人

 

「じゃ、アタシはもう行くわ」

「この状況で?」

「できればこのスケール大きな引きこもりくん、次の魔王討伐作戦に参加させて」


【テレポーター】のスキルを使ったのか、ティラノさんの姿は一瞬にして消えた。

 レイニーの様子がおかしいのでまずは落ち着かせる。

 俺の姿が見えなくなると余計パニックになりかねないので、隣に座っていろいろと話すことに。


「【スキル:偽果実 メロンパンを安売りしている店が分かる】とか使ってみようか?」


 つっこんでくれないかと思ったが駄目だったし、使ってみたが何も起きない。

 この世界にメロンパンが存在するかでさえも不明だが、メロンなら見た。

 調理場を貸してもらえればメロンパンも作れるような気がした。


「……ノアが言っていた、人……?」


 ノア? ノアと言えば、死んでしまったレイニーの婚約者の名前だ。

 どうして急に彼女の名前が出てくるのかと、俺でなくても疑問に思う。

 間違いの可能性もある。


「とりあえずお前の話を聞かせてくれ、レイニー」


 ゆっくりと言葉を繋ぐレイニーだったが、レイニーの話によればなんと世界で命を落とした転生者が、生前縁があった者を連れてこられるというのだ。

 俺は細々とバイトしてギリギリの生活を送っていたので俺が死んだ時に彼女はいなかった。

 これで元カノがこいつの婚約者だったみたいな話なら、ドロドロしまくりではあるが愛憎の復讐劇で話は終わる。


「彼女は前世で小さいころに命を救ってくれた恩人を転生させると」

「そうなると時間軸がズレるだろ」


 俺が死んだのはほんの少し前、1年にも満たない。


「ウルフさんが亡くなったのは昭和のころですよ」

「昭和に死んで異世界転生者になるとは思いもしなかっただろうな」


 ノアは前世では病気のせいで真夜中に車ではねられそうになった。

 顔も覚えていないが、その人を世界に呼んでしまった。自分のせいで過酷な運命に巻き込んでしまうのでどうか守ってあげてほしい――と遺言を残していた。


 ここでようやく話が第1話と繋がった。……長かったな。


「でも、選ばれなかったスキルばかりになったのは何か理由が?」

「私にも分かりません。何か〈バグ〉と呼ばれるできごとがあったのは覚えているのですが」

「バグ?」


 バグとはプログラムが問題を起こしている言葉。

 電卓に1+1と入力した筈なのに計算結果が3になるとか。

 スマホの電源がつかなくなる、とか問題や原因はさまざま。


 ゲームではよく聞く。これは俺の感覚だが18禁のゲームは特にバグが多い。


「女神様の神殿で紙を1枚だけ燃やす儀式があるのですが、本ごと数冊燃やしたことがありましたね」

「それで俺のスキルが大変なことになったのか」


 かなり昔のことでレイニーも詳しくは覚えていないらしい。

 けれど、レイニーが城に引きこもってる原因が俺なんだとしら、俺に連れ出してほしいということだろうか。

 魔王討伐はともかく、王子がいなくなれば国民が困るだろうし悩ましい。


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