18.5話 カミノの風俗
俺は悩んでいた。
異世界転生者といってもれっきとした男である。
カミノ王国や王子は何かおかしい。
死ぬ前にどうしても行きたい場所がある。
「レイニー、抜きに風俗へ行きたいんだけど」
「……」
ぎょっとした目で黙られてしまった。
まさか言葉を分かってないとか? そんな世界は嫌だ。
俺は過去に少しできごとがあって、風俗店を応援している。
「風俗ってこの世界になかったりしないよな!?」
「その――どのようなお店をご所望でしょうか?」
まず俺に聞くなよ、異世界の風俗事情を何も知らないんだぞ。
そりゃあできれば乳がデカイとか美人がいいとかはあるけども。
こういう世界で本番アリの店逆にちょっと怖いとか。
「デリヘルのほうが一般的の可能性もあるな」
「何ですかそれ?」
「あ、デリヘルはない?」
レイニーは苦笑いで説明をしてくれた。
「カミノ王国では色を売る店は数が少ないので――好みに合わないかもしれない、と」
美女が少ないというワケでもないだろう、カミノ王国は美女ばっかだし。
そんで城ではメイドのおっぱいも大きいからもんもんと溜まるもん溜まる。
別に自慰も悪くはなかったがやはり女性を抱いておきたい。
「できればメイドぐらいの胸でさ、挟まれたいのよ」
「ふむ?」
「身長も俺よりは10センチぐらい高いほうがいいな」
「ふむ?」
「髪の毛は地面につく寸前のロン毛で異世界らしく緑とか、ピンクとかもいいなぁ」
「ふむ?」
「着衣派だから全部さっさと脱ぐより服はありで――」
「ふむ?」
って、そこまで注文付けられてもピンときた様子がないレイニー。
専属で女性がいる雰囲気とかないけど無知ってわけでもなさそう。
で、風俗店に案内された。
『こんにちはー』
胸が大きくて身長が高くて緑のロン毛な嬢に挨拶された。
店の入り口には着衣OKの看板が。
完璧に要求した通りだが、奇跡かよ。
「そんなことある?」
「間違えました?」
「いいえ全く!! 料金が安いといいなぁ」
「……500マルです」
「え?」
「奢りますから気にしなくていいですよ」
異世界転生したら風俗店の金額が珈琲より値段が安い件について。
いや何で値段知ってるんだ? もしかして常連?
じゃなきゃピンポイントで連れてこれないもんな。
「レイニー、ここ何回ぐらいきたことあるの?」
「……視察で何度か」
「あ、そっか」
風俗店なんて治安的には違反してないかとか、王子からすればそういうところだ。
それにしたって500マルってどういう価値観の国なんだよ。
もしかして異世界転生者だけ安い?
『いつまでも話してないでさー……入るよね?』
揺れる胸。
「入ります、終わったらすぐ帰るよ」
「待ってます」
「……俺はそんなに早くないぞ」
異世界というだけあってシステムがかなり変わっていた。
さっきレイニーが言ってた500って何分? と聞けば別に決まってないと。
俺はピンときた、王族からは少ないお金でボッタをごまかしている――
『じゃあ始めるね』
「ハイ!!!!!!!!」
本番はナシの店ではあったが、それなりに満足した。
テクニックはちょっと拙くともコスパはいい。
店から出た時にレイニーが店にお金を渡していたが500マルだったのだ。
「安すぎて不安になるんだけど!?」
「……その、オープンさせたばかりの国営店で値段の相場が分からず」
「いくら何でも500はやめようぜ」
俺のことより目の前の男への不満で革命が起きないかと不安になってきた。




