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102話 歴史を知る(前編)

 

 高級な宿屋の1階はレストラン。

 夜はお酒をおもに提供するこの店で親睦を深めるつもりだ。

 レイニーが俺の周囲を警戒しているせいなのか誰もこない。


 初代も参加しているが大人しく孫とお酒を呑んでいる。

 仮に悪人だとして、今は敵にまわしたくない。

 それにおじいちゃんが好きそうな様子


「あっ」


 着物のチャラ男が肩を組んできた。

 とくに振り払ったりしないあたりレイニーとは顔見知りか。

 でも、少し嫌そうではある。Mまではいかないけどへの字。


「まーまー国王様! あっしのやり取りは超・簡・単」

「ええと、お名前は?」

「あっしはゴートでっせ」

「それで簡単って?」

「ちょっと壺を買ってくれりゃあいい」


 昔、壺とか買わされそうになっても買うな―――って聞いた気がする。

 こいつが異世界転生者を騙して壺を売る詐欺師か。

 騙そうとしているしていないにかかわらず国王として対応はしなければ。


「まずは値段、それと利益だな」

「値段は5億マル―――それで異世界転生者のあっしは味方に、どうでさぁ?」


 からまれているとウルフが割って入った。


「この詐欺ジジイの壺に払う必要ねーぞ」

「ウルフの知り合いなのか?」

「異世界転生者だが壺しか作れないんで魔王討伐にも参加しねぇ」


 ウルフだけではなく他の異世界転生者もこいつと取引しても無駄だと助言してくる。

 レイニーでさえも役にたった所は見たことがないですね、の言いようである。

 ただ1人、初代を除いて全員が老人やジジイと呼ぶことのほうが俺には気になったが。


「さんざんな言われようだね、5代目?」

「あっしの先代よりマシじゃろて……家臣しとったからよーわかる」

「でも資金を作ったのは君でしょう?」



 初代に5代目と呼ばれてるならかなり長生きした異世界転生者か。

 こいつはすげぇ、めちゃくちゃ尊敬する、よく()()()()()な自分が弱いって。

 ホンイツがそんな役立たずを家臣にするわけないだろ。


「今夜は酒でも呑みながら昔話でもせんか? 壺が買いたくなるかもしれんぞ?」

「お酒ぐらいはつきあう」

「……お酒、ですか」


 5代目とレイニーを連れて端っこで呑むことに。


「こんな怪しい壺うり詐欺師と呑んでくれるなんて嬉しいねぇ」

「まずは何のスキルを持つのかお聞きしても?」

「あっしは【スキル:偽造】が使えまっせ」

「偽造?」

「え、あなたのスキルは壺に柄を入れることでは?」


 レイニーの言葉にケタケタ笑う5代目、ゴート。

 どうやら持っているスキルに関して嘘をついていたらしい。

 そして皆が騙されていた様子で目を点に。


「魔王討伐作戦に参加なんて当時は本当に命がいくつあっても足りなかったんでさぁ」

「死にたくなかった、と?」

「それに当時は異世界転生者への迫害が酷くてねぇ……」

「迫害?」

「2代目の女性なんて民間人を助けたら魔物として処刑されたんでさぁ、民衆に石なげられて処刑されたそうですぜぇ? あっしは見ていやせんがね」

「まじか」


 前にホンイツの過去を見た時。ホンイツと共にいた女が出てこねぇとは思っていた。

 死んでいるかもとは薄々感づいていたのだが魔物として処刑は酷いな。

 しかも、助けたら―――ということは助けられたのに処刑した筈。


「その国ならもう存在しないんですけどねぇ」

「魔物にやられたとか?」

「4代目が【スキル:ドール】で操る人形は基本的に死体、って噂は聞いたことありやす?」

「ある」

「彼女を殺した国を4代目は女も子供も関係なく皆殺しにして兵力を手に入れたんでさぁ」


 兵力だけでは足りず国を作る資金はゴートが稼いでいたらしい。

 ゴートの偽造スキルで偽のお金が大量に流通。

 しかしこの世界のお金は製造番号などない。


「あんさん低級魔物が倒されて紙幣に変わったところみたことありまっか?」

「え」

「……昔は魔物のコアを砕くとお金が落ちる仕組みだったんでさぁ」


 RPG系のゲームだったりすると魔物を倒せばお金が手に入ることはよくある。

 だが、こうして実際に聞くとけっこう謎。


「現代では無いのか?」

「元々100パーセントではありやせん、今でも0.1パーセントぐらいはありやす」

「現状では0.1パーセントも無いとは思いますがおおよそは本当ですよ」

「じゃあレイニーの現役時代にはもっとお金落ちたの?」

「50パーセントといった所でしょうかね」

「値段はどれぐらいなんだ?」

「低いと20マル……私の経験上最高記録であれば5000万ですね」


 思ったよか金額も高い。


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