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イーサンを儀式を始める。
「くだらない。そんな儀式なんの意味もないわ おい、何をするるつもりりだ」
「知性のヘラ、想像のユーリャをいえけにえに終焉の審判者サザ召喚」
仏と大きさが変わらないぐらい巨大な体を手にする。
「それで私に勝ったつもりか くだらない滅亡の祝福 これで貴様
は3ターン後に砕け散る」
「じゃあこのターンで終わらせればいいわけだな 万理転生!」
「万理転生?! なんだその技は?」
「この世界をわが手で造り変える」
「馬鹿なそんな技そんざいしない。この世界を変化させることができるのは
この私ただ一人!」
「ああ これで世界から悲しみと不幸が姿を消す」空間と
大地が砕け再構成されていく。
審判者となったイーサンは、異世界から【たたかう】のコマンドを
削除することに成功する。
「お前はいったい何ものだ?」
「俺はイーサン、ただのプレイヤーだ」
イーサンは、すべてのゲームのデータを破壊して リセットすることに成功した。
そして
「お前はいったいなんなんだ?」
「私は、仏。仏の化身」
「そうかい。仏ってのはずいぶんと暇なんだな」
イーサンは、仏にアッパーカットを決める。
「なぜだ、こんなことはあり得ない。神である私が負けるなど」
「仏だかしんねえけど、結局あんたも神様の作った システムの一つに過ぎないってことだ」
「まさか、そんなことが」
「さようならだ」
「まだだ。せめてもの情けとしてお前を異世界に飛ばしてやる」
「異世界か……それはいいかもな」
イーサンは、異世界内の異世界に飛ばされていく。審判者としての姿が消滅し、
いけにえとなったヘラとユーリャが分離される。
「お父上」仏がヘラに話しかける。
「おお、ヘラではないか」
「ご無沙汰しております」
「久しぶりだな。お前がここにくるとはな」
「はい。実は、お父上にお願いがあってきました」
「ほう、言ってみろ」
「私を異世界に連れて行ってください」
「異世界か。いいだろう。お前には期待している」
「ありがとうございます」
「ではいくぞ」
「はい」
「お母さま」仏のそばにた露出のはげしいふくよかな容姿の美女にユーリャが話かける。
「あら、ユーリャじゃない」
「元気でしたか?」
「ええ、あなたは?」
「はい、おかげさまで」
「そう、よかったわ。ところでお母さまに何か用かしら?」
「はい、お母様にお会いしたいとおっしゃっている方が いまして」
「そう、わかったわ。今行くから」
「はい、よろしくお願いします」
「そういえば、あの子どうしたのかしら? 確か、 あなたの友達だったわよね?」
「はい、そうです」
「最近見ないわね」
「そうですね。今どこにいるんでしょうか?」
「まあ、そのうちまた会えるでしょう」
「はい、そうですね」
「それじゃあ行きましょう」
「はい」
「はい」
「じゃあ、みんなでご飯食べに行きましょう」
「はい」
「はい」
異世界に転生して、 転生者たちの争いを止めようとする イーサンの物語はこれにて幕を閉じる。
「今日からここが俺の家か」イーサンが、新しい自分の家を見てつぶやく。
「なかなか悪くない」
「これからよろしくね」ユーリャが挨拶をする。
「おう」
「もうすぐ夕食ができるから待っていて」エプロン姿の金髪
美少女の姿はまぶしかった。
「あの…」
「何?」
「いや、なんでもない…」イーサンは、目の前の
女性をいけにえにささげたことを正直に切り出そうとした。
「いや、なんでもない」へいぜんの
日常がはじまっていることに激しい違和感を
おぼえつつもも切り出すことができなった。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「そう、ならいいんだけど」
「ちょっと出かけてくる」
「どこに行くの?」
「散歩だよ」
「気をつけてね」
「ああ」
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
イーサンは、家を飛び出した。
「どうなってるんだ一体?!」
「あれ、どうしたのそんなにあわてて」買い物帰りのヘラが 声をかけてくる。
「ヘラ、一つ聞きたいことがあるだが?」
「どうしたの改まって」
「お前たちをいけにえにしたのは間違いだったんじゃ ないかと思ってな」
「どうしてそんなこと言うの?」ヘラの顔つきが変わる。
「だってそうだろ? お前たちにとっては、 俺たち転生者は、憎むべき敵だ。そんな奴らのために いけにえになるなんて馬鹿げてる」
「馬鹿なんかじゃない。私にとっても転生者はすべて 倒すべき相手。でもあなたは私に何もしなかった
そしてあなた自身の争いのない世界を目指すことに私も賛成したからこそ
あなたについてきたの」
「ヘラ……すまない。俺はどうかしていたようだ。そういまさら引き返すことなんてできるはずもない」
「わかってくれればいいの。さあ早く家に帰って ごはんにしましょう」
「ああ、帰ろう」
「ただいま」
「ほら、料理なんてがらじゃないけど。ゴブリンの秘草のサラダに
コドモもドラゴンの卵の煮物まあ食べてよ」
「ああ、いただきます」
「うん、うまいな」
「ほんと、うれしいわ」おいしい食事に目の前にいるは現実世界では、
地球が逆回転して得られるはずない美少女がイスに座ってこちらへほほんえんでいる。
しかし、何か違和感がぬぐえないままだった。
そう全てが終わり全てを手入れたはずだった。
「ごちそうさま」
「お粗末様」
「食器は、水に浸けておいてくれ。後で洗う」
「ありがと」
「風呂沸かしてあるか?」
「もちろん」
「じゃあ入ってくる」
「着替えとタオル置いておくから。一緒に入る?」
「えええ??」
「冗談よ」
「変態」ヘラが二人のやり取りに冷静なつっこみをいれる。
「あがったぞ」
「お疲れさま」
「じゃあお休み」
「お休みなさい」
「ここで一緒に寝るのか?」さっき寝室にはいるときユーリャは、
タオル一枚だった。
「じゃあどこで寝るのよ」半笑いでユーリャが返す。
「まあそうだな」そんな広くない家寝室はここしかなかった。
「お前はこいいうことがやりたかったのか?」
「ん? どういうこと?」
「その冒険者としての日々はもういいのか?」
「そうね。あなたが言ったように、私たちは、ずっと戦いの 中にいた。今でも
冒険者としての日々を思い出す。でも私はあなたと一緒にいたいのあなたがいたから冒険者としての日々を
おくれたわけだしさ」
「そうか……ありがとう」
「ふぁ~もう朝か」目を覚ます。
「おはよう」
「おはよ」
「朝食作ってあるから」
「ありがとう」
「今日は、どうするの?」
「とりあえず、村に行ってみるかな」
「わかったわ」
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
「ねえ、これ何だと思う?」ヘラが家の裏手から声をかける。
「これはひどいな…」
「チート武器?」
「深雪大納言剣にもかかわず遠方へ攻撃できる改造武器だよ」
「誰かがここに隠した?」
「分からない、ただ近くにめんどくさい転生者いるのは
間違いなさそう」
「よく見つけられたな」
「ぐーぜん」
「ゆーしゅう」
「それでこれからどうする?」
「この剣を持って行こうと思う」
「どうして?」
「もしチート転生者にはチートで対抗しないとなまあ
俺のスキルがこの剣を打ち消してしまうから使えないけど」
「賛成」
「これからは、私も戦うからね」
「やっぱりまだ冒険が恋しんじゃないのか?」
「ひみつ」
「そうか……」
「それじゃあ、出発しよう」
「ええ」
別の異世界に転生したイーサンは、 新たな生活をはじめようとしていた。
「あの娘は、いったい……」
半裸の状態のおびえた娘が何かから逃げていた。
転生者が好むテンプレだけに何か嫌な予感がした。
「確かめるしかないな」
イーサンは、決断した。
「どうしたの? 難しい顔して」ヘラが心配そうに話しかける。「なんでもないよ」イーサンは、平静を装う。
「本当に?」ヘラが顔を近づけてくる。
「本当だよ」
「ジー…」
「えっと、近いんだけど?」
「早く」
「わかったよ。秘密なしだ」
「ほんと?」うれしそうな表情を見せるヘラ。
「ほんとだって」
「うれしいな。これでもっとがんばれる」
「そうですか……ところで一つ頼みがあるだけど」
「何かしら?」
「ちょっと出かけてくるから」
「どこに?」
「村のほうへ」マップには近くの村が表示されていた。
「どうして?」
「少し用事があってな」
「一人で行くの?」
「ああ」
「危い」
「まあ、なんとかなるだろう」
「ほんとに気をつけてね」
「ああ」
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
「ふう、ここまで来れば大丈夫か」
イーサンは、森の中に立っていた。
「確か、こっちの方だったはずだけど」
その時、何かが聞こえてきた。
「悲鳴か?」
急いで駆け付ける。
「やめろ!」
男が少女を人質に取っている。
「動くな!動いたらこいつの命はないぞ」
「今すぐ放してやれ」
「どうだ俺と一緒にこの女のアイテムとジェムを山分けしないか?」
「断る。俺は、審判者になったんだ。お前たち転生者を根絶やしにしてやるよ」
「ふざけんなよ。そんなことさせると思ってるのか?」
「ああやってやるよ」
男は、ナイフを少女の首元に当てる。
「くっ」
「さあ、どうする?このままだとこいつは死ぬぞ」
「わかった。わかったからその子を解放してくれ」
「よし、約束だぞ」
「わかっている」
「じゃあ、お前の持ってる物をよこせ」
「ああ」イーサンは、適当にアイテムをばらまく。
イーサンのスキルでは使えないものばかりだった。
「おい、お前らも出てこいよ」男が叫ぶ。するとわらわらとゴブリンたちが出てきた。
「さあ、始めるぜ。パーティーの時間だ」状態をみると催眠がかかっていたので
転生者お得意のチートスキルで適当に操っていいるのだろう。
「ぎぃいいいいいい!」一斉にゴブリンがイーサンに斬りかかってくる。
「邪魔だ。どけぇえええええええ!!」
「ぐふぅ」
イーサンの拳が腹にめり込む。
「氷結拳おらぁああああああ!!!」イーサンの拳がコブリンは、凍り付き砕け散る。
「がぁぁああああああ」さらに蹴りを入れる。
「ひゃははははははははは!!死ねぇえええ!!!」
転生者の重課金の剣がイーサンの肩を切りつける。
「くっ」しかし、イーサンには傷一つついていない。
「どうなってんだ?」イーサンのシールドは全てのアイテムとスキルを打ち消せるため
傷などつくはずもなかった。
「見てわからないのか? 説明する必要などないだろ」
剣をつかむ。
「なんだ? はなせっ」
「ふん」そのまま振り回して投げ飛ばす。
「うわぁああ」地面に叩きつけられる転生者。
「がはっ、げほっ」
転生者は、口から血を吐いている。内臓でも傷ついたのだろうか。
「なんだよ……これ……」
「お前の敗因はただ一つ。俺より弱かったことだ」
「なに?……なにを言っているんだ……」
「わからないか? なら教えてやるよ。この世界は、俺の世界だ。だから俺がすべてを支配する。それがこの世界のルールだ」
「意味がわかんねえよ……」
「そうか。なら、死ね」
「うわぁああああああああああ!!!」
転生者の首から上が無くなっていた。
「これで終わりか……」
「そうみたいね」いつの間にかヘラがいた。
「そうだな」
「これからどうするの?」
「とりあえず、この村でどうやらこの転生者が無茶苦茶してたみたいだから
村の様子を見に行こう」助けた女の子はその村から逃げ延びた少女だった。
「おい、心配するな自分の首をよく見ろ」
「え? あ? 首がついてる!」
「私の幻術首はプレゼント」ヘラが幻術をかけけていた。
「ほんとうの首がなくなる前に消えな!」
「ひぃいいいいい!」ダッシュで転生者が森へと消えていく。
「ありがとうございました」少女が頭を下げる。
「気にしなくていいよ」
「あの、私も連れていってくれませんか?」
「え?なんでだ?」
「お願いします!」
「どうして?」
「その……村を襲った人たちに復讐したいんです」「そうなのか?」
「はい!絶対に許せないです!」
「そうか。じゃあ一緒に来るか?」
「いいんですか!?」
「ああ名前は?」
「ステーンロース」
こうしてイーサンの旅の仲間が増えた。
「ここが目的地の村だ」
「そうなんですか?」「ああ」
「なにもありませんね」
「ああ」
「本当にここであってるの?」
「ああ」
「どうしてわかるの?」
「勘だよ」
「そうなのね」
「うん」
「それじゃあ、行きましょうか」
「ああ」
「きゃあああ!!」悲鳴が上がる。
「どうした!?」
「誰か!助けてください!」
「大丈夫か?」
「はい……」
「これはひどいな……」辺り一面死体だらけだった。
「こんなことをするのはあいつしかいないわね」
「ああ」