第98話
休載迄、残り2話です!
急遽、書き直した為、グダグダMAX強が半端無いです。
「一体、デイルスたちはどこまで狩りに行っているというのだ…」
エルフ狩りに出掛けてから、未だ帰って来ない彼らのことが気になり始めた、ラグーン王国の王カイシェイドは、苛立ちを覚えていた。
また、地下牢に残されていた、文字の解読も未だ済んでいない始末なのである。
「まあいい。ノイントの小娘も残り僅かの命だと噂に聞くからな…」
北の大陸はスーレシア王国に次ぐ魔石宝庫として知られている、北東にある大陸を手に入れるチャンスが来るかも知れないことから、今ある魔石を使った魔導具を魔導具士たちに作らせているものの、少し何か自身に違和感を覚え始めていた。
「…まだ寝ているな」
翌朝、シリウスはフリックたちのいる部屋へと訪れるが、肝心のフリックはまだ眠っていたのである。
「仕方ないよ。昨日は何だかんだと色々な意味合いで疲れていたみたいだし」
「それに今日のことは、余りフリックが知るにはまだ早過ぎるからな」
心臓移植という術式は、フリックにとって重荷になるが故にルシウスは言った。
「…それもそうだな。じゃあ…この子を少し預かるよ」
念のために人間に見えるという魔導具をフリックに身に付けさせながら、シリウスはフリックを起こさないように抱き上げると、ルシウスを始めとする兄たちから「絶対に失敗は許さないからな…」と何度も強く念を押されるまま、シェルファの元、ノイント都市国家へと瞬間移動魔法で向かったのである。
「ここがノイント都市国家か」
転生してから初めて人間の国を訪れるシリウスは、活気に溢れた街を見て言った。
「ええ。因みにここはノイント都市国家の中心都市レフィーリアよ」
リリアのいる家まで行くわよとシェルファは、今はのんびり観光している時間は無いのだからと言いながら、再びと瞬間移動魔法を使用したのである。
コンコンッ…とシェルファは、石造りの家の扉をノックすると「やっと来て下さいましたか。シェルファ様」とリリアの世話をしている、エレナは出迎えるなり言った。
「ええ。リリア様のお加減にお変わりはありませんか?」
「はい。今は渡された薬を飲んで眠っています。で、彼は?」
エレナはそう言いながら、シェルファの隣にいるシリウスに気付いたのである。
「彼はシリウス。此度の移植手術する上で必要なので付いて来て貰いました」
治療魔法を得意とするシェルファだが、蘇生魔法はさすがに使えない故に同行して貰ったのだと説明したのである。
「そうですか。で、その子が…」
「そう。リリア様に最も適した子ですわ…」
今はフリックには安眠魔法で更に深く眠って貰っていることから、今日の所は目が醒めないだろうと事前にリリアは説明しながら言うと、俺たちはリリアの心臓移植をするために家の中へと入っていったのだった。




