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第94話

休載迄残り6話です。

「さて、何を作ろうか…」

シリウスは、見覚えのあるというか、前世で見慣れた野菜を見ながら言った。


何しろ、人面樹を通して野菜だけは採れるようになったものの、形が何ともいえないというか、藁人形あるだろ?アレに似た感じの形なんだよな。味だけはちゃんと野菜そのものって味なんだけど、形だけが不気味なんだよなぁ…。


「そうですね。今日はフリックの大好きなシチューにしませんか?ここの所とちょっと…余り元気がないみたいなんで」

せっかくと前々から興味ある魔法を一つひとつと習い始めているものの、心の何処かでまだ怯えている様子があることから、マイラスを始めとする兄たちはフリックのために色々と今日はしていたのだと言ったのである。


「そうだな。どういうシチューなんだ?」

「野菜のシチューです。肉はシェルファ様が持って来て下さった鶏、凄く良い鶏なんですよ」

何でもフォルダニアの森と盟友関係である、ノイント都市国家から仕入れている、牛・豚・鶏は、どこの国よりも美味だという。また、エルフにも好まれている、食材なんだとか。


確かに俺の生成するコカトリスとかって、生成材料からして不味そうというか、不味いもんな。味だけは不思議とそのまま、肉としてしっかりとあるみたいだけど。というか、俺の味覚、大丈夫か!?とこの世界に転生して思ったことだけど。


「では、私はリンゴたっぷりのケーキを作りましょうか」

「お願いします。今回はうんと甘めで」

何しろ、シリウスの用意するデザート類は、甘いとはいえ、大人の味なのだ。

甘さ控えめのせいなのか、まだまだ子供のフリックにはその甘さは慣れないのである。

「じゃあ…俺たちはシチューを作るか」

「そうですね。そういえば、ミルクとか出せます?」

野菜のシチューとして、ミルクやチーズが必要になることからマイラスは言った。

「ああ。お安いご用だ」

何だと思えば、召喚魔法で何度も出し続けているモノをシリウスは、マイラスに言われるままに召喚したのである。



「色々と遭ったのですね…」

シェルファは、今はまだ眠っているフリックを優しげに頭を撫でながら、ルシウスとレイオスから、ラグーン王国内でフリックの身に起きた出来事を聞いて言ったのである。

「で、その時にフリックの身に何か起きているのではないかと不安なのですが…」

「大丈夫ですよ。シリウス殿の治療魔法でアレは取り除かれていますから」

男女の間で無理矢理の行為の際に入れられたであろうモノは、処置が早かったこともあり、その問題は無いということであった。ただ、無理矢理とされたことから、心の奥でフリックはそのことを深く傷付いているが故に怯えた様子は、まだまだあるのである。

「で、人間の国に連れて行く際、不安なのですが…」

「…そうですね。でも、安心して下さい。私は瞬間移動魔法が出来ますので」

一瞬でノイント都市国家のリリアの元へと行くことが出来ることから、シェルファは心配する二人に優しい笑顔を向けて返したのだった。






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