第89話
色々な意味合いで気になる点は、大いにあるかと思いますが、アレコレソレドレと気にしないで下さい。いや、マジで。
翌朝、俺はリーベルタース城に住む皆の朝食が終えた後、今日はルシウスの元で魔力の制御よりも部屋でぬいぐるみと戯れている、フリックの元へと訪れていた。
「なに?シリウシュおにいちゃま」
まだ、その小さな体からは想像を超える程に痛々しい位に夜も魘されていたであろう、涙の痕が残っている、フリックは少しまだシリウスに警戒した感じで言った。今日に限ってルシウスを始めとする兄たちは、フリックのために何か作りたいことから、朝食の後は出掛けてしまったのである。
「おチビちゃん。神聖魔法に興味あるかい?」
「しんせーいまほーってなに?」
何だかんだとフリックの分だけ朝食は、兄たちが部屋まで運んだものの、殆ど食べていなかったのである。まだ、無意識の中に幼い彼女の心は痛めているようだ。
「そうだなぁ。簡単に説明すると…美しい魔法かな」
「うちゅくしい?」
「そう。この世にはどんなに頑張っても綺麗になれない人がいる。そんな人たちの心を綺麗にするための魔法なんだ」
「そーなんだ。ボクでもしんせーまほーってできりゅよーになる?」
「ああ。おチビちゃんが使える魔法の中で一番向いていると思うんだ」
「わかったの。ボク、しんせーまほーちゅかってみたいの。おしえてほしーの」
「じゃあ…ここではちょっと…だから。イメージトレーニングの場所に行こうか」
前にミレイが専用の場所が欲しいと言っていたことから、急遽とシャガルに作らせたイメージトレーニングの場所へと俺は、フリックと共に向かったのである。
「アレ?来たんだ。シリウスさん、フリックちゃん」
少しはカミラによって父を殺されたことに落ち着いたからなのか、風魔法を更に磨くためにスライスに正しい発音で書いて貰ったことから、一人で魔法を磨いていたミレイは言った。
「ああ。フリックに神聖魔法を教えてあげようと思ってさ」
「ボク、ちゅかってみたいの」
「そうなんだ。何だか難しそうな魔法だね」
「まあな。俺自身、神聖魔法は使えないからどう教えればいいのか分からないがな…」
とにかくとゲームの知識を元にイメージだけで教えるしかないだろうと思いながら、シリウスは返したのである。
「ま、まあ…頑張って?それしか言えないけど」
「ボク、がんばりゅの!」
もっとフリックは魔法を覚えたいことから、誰かのために役に立ちたい気持ちから神聖魔法を覚えたいと思ったのだった。
「じゃあ…おチビちゃん。俺が今から言う言葉をコレに向かって同じように言ってくれないかな?」
直接と言葉となって魔法となることもあると前にルシウスから聞いたことがあったことから、即席で用意したばかりの魔人形を生成してシリウスは言った。
因みに魔人形は、例の≪魔物生成書~誰もが突っ込みたくなるかも知れないキャンペーン実施中!?因みに素材は召喚魔法及び自給自足で~≫に書いてあったんだよな。
後で生成材料と方法を教えるけど。
実にえっ!?って感じの一瞬って感じで出来たから。
「うん。わかったの。シリウシュおにいちゃま」




