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第83話

色々と気になる点は大いにあると思いますが、アレコレソレドレと気にしないで下さい。

「ううぅ………!」

「も、もう……だ…ダメだ………!」

ミレイに言われ、アーノルド連邦の住人は、リーベルタース城へと移住するために向かっていたものの、辿り着く前に次々と倒れていったのである。

『ふふ…ちょうどいい獲物がいましたわ』

ルビーのように輝く目と純白のドレスを身に纏う青白い顔の女性は、倒れている人間の首元を噛むようにしながら、血を吸ったのだった。

「つぅ………ミレイ……すま……な…い………」

青白い顔の女性にミレイの父ケイネスまでもが、血を吸われてしまったのである。

『ふふふ…今宵はしっかりと妾のしもべとして働いてもらいますわよ。あの忌々しいエルフを滅亡させるために』

そう女性は言い残すと、その場から失われた都へと掻き消えてしまったのである。



「お父様たち…まだかなぁ」

ホールで、シルヴァンエルフのフリックたちと共に朝食を済ませたミレイは、故郷の皆がここへと来るのを待っていた。

その様子にスライスは、辛そうにしていた。

既に情報をキャッチしていることから、シリウスを呼び出したのである。

「せっかく…今からアルミラージの生成しようとした所をすみません」

「いや。別に構わないさ…。用は何だ?」

「は、はい。ここではちょっと…」

ミレイの耳には触れる訳にはいかないことから、スライスは、最上階にあるシリウスの部屋へと二人は向かったのである。



「で、話は何だ?スライス」

今日はすっかりと今では定着するようになった、ジャージ姿のシリウスは、ベッドへと座りながら言った。

「はい。実は…ミレイさんの人間ですが、カーミラであるカミラに襲われてしまい、ゾンビ化したみたいです」

元々、生気が感じられない住人でしたからとスライスは、そう付け加えながら言ったのである。

「カーミラ…?」

「ああ…吸血鬼の一種ですよ。女性なので、カーミラなんです。何十万年も姿は見せなかったのですが、今頃になってエルフの生き残りを知ったからなのか、失われた都から眠りが醒めてしまったみたいなのです」

「なぜ、エルフを…?」

「分かりません。ただ、何か恨みがあってのことだと思います」

「…そうか。拙いな。ここにハイエルフとシルヴァンエルフを匿っていることを知られたら…」

特にまだ、魔法をロクに扱えないフリックが一番危ないなとシリウスは、今は城の外で、ルシウスに言われるままに魔力制御に専念していることを思い出しながら言った。

「すぐに彼らを城に連れ戻しましょう」

「そうだな…」

前に釣りに行った場所で、フリックの魔力を制御する訓練すると言っていたことから、シリウスは、テレポートでその場所へとすぐに向かったのである。




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