第82話
色々と思う点は大いにあると思いますが、アレコレソレドレ気にしないで下さい。
また、<第100話>掲載後、本格的に休載します!
「遅くなってごめんね?」
ミレイは、ずっと帰りを待ってくれていたというシリウスに向かって言った。
「いや。別に構わないさ…。で、親父さんたちはいつ頃になりそうだ?」
「うーん。早くて明日にはここに来てくれると思うんだけど…」
「ん?どうした?」
少し元気がないミレイにシリウスは、気になってしまった。
「なんかね…。あたしのお父様もそうなんだけど、故郷のみんな…何か生気が感じられなかったんだ。やっぱり、雑草ばかりの暮らしだからなのかなぁ」
食べることがやっとという、アーノルド連邦の暮らしだからと前にも言ったことをミレイは、どこか辛そうにしながら言ったのである。
「…確かに雑草というか魔草は、当たり外れがあると言うからな」
「うん。あたしが故郷でずっと食べてた雑草は、たまたま良かったのかも知れない」
お腹が空く度に食べていたからと思い出しながら、ミレイは当時の食生活は、今とは考えられない暮らしだったのだ。
「…そうだな。たまたまかも知れないな」
「雑草は…じゃなかった。魔草は煎じて飲んだ方がいいのかな」
「そうだろうな…。とりあえず、今日はもう遅い。それ食って寝ろ」
シリウスは、ミレイに夜食に適した、あっさりと昆布出汁の利いた卵うどんを用意したのである。
「あ、ありがとう」
「礼ならアープルに言っておいてくれ」
シリウスはそう言うと、一足先に寝室のある1000階へとエレベーターで行ったのだった。
「ホントに南の大陸はエルフ大量でしたね」
捕らえたばかりのハイエルフが今にも泣き出しそうにしている様子にカーツは、言った。
「まあな。しかし…コレだけ探してもあのガキが見付からないとすると…」
「…無意識に魔法に目覚めて兄たちがいるという森に帰ったってことですかね?」
「…それはないだろう。森に火を放ったんだ。向かうとすれば………北か?」
「北!?かつて勇者ご一行が魔王を倒したという大陸ですか!?」
「そうだ。まあ、そこは何万年経っても誰もが立ち入り出来ぬ大陸だからな…」
只でさえ、あの大陸にあると伝えられていた人間の国アーノルド連邦は、廃墟同然なのだからとデイルスは思い出したかのように言った。
「そうですね。言われてみれば、アーノルド連邦って名前しか聞いたことがないですね」
「そうだろう。あの国だけは他の国々との交流は一切と無いからな。そこに逃げ込んでいるとは到底思えん」
「それに人が住んでいる気配もありませんしね」
「そういうことだ。とにかくと南の大陸全般を探し続けるしかない」
何しろ南の大陸は、北の大陸と同じ広さであることから、全て探し出すには、至難の業しかないものの、彼らはラグーン王国の王であるカイシェイドに言われるままにフリックをアレから一週間近く今も隅々まで探し続けていたのだった。




