第71話
「うーん。朝は卵を使った料理で、久々にオムレツにするかな」
そういえば、俺ってオムレツってフライパンで、作ったことがない。
いつも、お手軽に出来る100均アイテムで作っていただけだったな。
とりあえず、お手軽にオムレツが出来るキッチンアイテムを…。
≪出でよ…キッチン・オムレツ≫
俺は、家にあるキッチンアイテムのそれをイメージしながら、召喚魔法でやってみた。
最近、出でよって掛け声を無視にしていたからな。
たまには、その掛け声をやってみるのは…厨二病っぽくて嫌だけど、それ以外の掛け声って知らないんだよな。
俺、語彙力って無いし?
今更だけど、それだけは死んでも直らなかったようだ。
それを言うならば、この転生物をを書いている作者だよな。
(それ、言っちゃいかん禁忌じゃん!)
「あっ…!一応はちゃんと出た。家にあるヤツよりも新品じゃん!?」
えーっと…何なに?
製造会社:フォルダニアの森-キッチン製造株式会社-
「ちょ、ちょっと待て?召喚先って…フォルダニアの森からさっきから出ているってことなのか?いやいや…この前のカレールーは、俺のいた日本だったし…。うーん。無意識に人間さんとかに迷惑を掛けちゃっているってことか。まあ、仕方ないよね。俺、一応は魔族で魔王だし?」
今度、フォルダニアの森に行った際、キチンと謝ろう。
日本にはもう行けないけど、せめてこの世界の人間さんエルフとかその他諸々に迷惑を掛けているのならば…。
とはいえ、このキッチン・オムレツは、新品といっても、既に10年前に作られたモノなんだな。
俺、12年前に買ったからさ。
キッチン・オムレツってのは、もう15年前の商品としてダ○ソーで売っていたからな。
今でもあるのかどうかは、分からないけどさ。
そうしている間に人数分のオムレツが出来ると、俺は700階の700室にいるルシウス兄妹、同じく700階で寝起きしている、ルシウスの誘いを受けて来たエルフ数人、今は500階の501室で寝起きしているミレイをホールへと、呼び出し音を鳴らしながら、呼んだのである。何しろ各階に行くのが面倒なんで、ホールにある呼び出し音があるじゃん?と各部屋に鳴らしたんだ。音は余り好きじゃ無いけど。
音ってのは『ピーピッキピキピーピッピピピキューン』って何ともいえない音。
どういう訳なのか、ここにいるみんなは気にしないのね…。
俺だけなのよね。気にするのって。
「…すまない。フリックはまだ起きられる状態じゃないんだ」
今は次兄である、ネイサスが代わりにフリックを看ていることをルシウスは言った。
「…そうか。後で持って行ってくれないか?」
「ああ…」
そんなこんなで、召喚魔法について分かったことをふと、皆に話したのである。
「うーん。別にフォルダニアの森のエルフは、気にしていないと思うが」
召喚先の一つがフォルダニアの森であったことから、シリウスは無意識とはいえ、迷惑を掛けたことから言うものの、ルシウスはそう返って来たのである。
「それにシェルファ殿は、容姿と共に中身は可憐な方だけど、細かいことには気にしていなかったと思うよ」
「そうか。俺の知っている感じのシェルファ殿じゃないのかも知れないな」
「…そういうことだよ。まあ、本人に直接と聞けば分かると思うけどね」
「それに色々と魔法はさ?自分のために使うためにもあるんだし。今では余り人間の中で魔法を使う人も少ない訳だし」
「そうそう。あたしは魔法に憧れて使い始めているけど、故郷で魔法に興味ある人って少ないよ」
ミレイは、アーノルド連邦にいた時、魔法よりも食べていく道を探すのがやっとということから言ったのだった。




