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第56話

色々と食い違い等が多いので、アレコレソレドレと気にしないで下さい。

「シリウスさん、まだかなぁ?」

ミレイは、スライスが用意してくれた、朝食のシチューを食べながら言った。

「そうですね。もうすぐ帰って来るかと思いますよ」

「そうだね。あたしがこの短期間で出来るようになった魔法を知って欲しいし。ん?」

ミレイは、そう返すと共に外が妙に騒がしくなったのである。

「どうやら…帰って来たみたいですね」

スライスは、様子を見て来るからとミレイを城に残して城の外へと出たのである。



「ホントに一瞬だな…」

ルシウスは、今は眠っているフリックを抱いたまま言った。

「で、念のためにも言ったのに…」

案の定、他のハイエルフは勿論、クレイスやマイラスも空間酔いで、酔ってしまったのである。

「ど、どんな魔法なのか…説明…してくれても…ううぅっ!」

「うーん。瞬間移動魔法以外にどう説明しろと?なんだが?」

「うっ…も、尤もです。はい…」

そのままの意味だったんだなとクレイスは、マイラス同様に嘔吐を繰り返していた。

「あっ!お帰りなさい」

人間形態のまま、スライスは外へと出て来たのである。

「ああ。ただいま、スライス」

「人間…?いや、魔物か」

ルシウスは、一瞬でスライスが魔物であることを見抜いた。

「良く見抜いたな。そう…こいつは俺が生成したスライムなんだ」

「シュライムなのー!?」

スライムと言葉にフリックは起きてしまい、今すぐぷにゅぷにゅしたい症状が出ていた。

「ん?起きたのか?フリック」

「おっきしたの。ねー…シュライム、しゃわりたいの!」

「後でゆっくりと触らせてあげますよ。それよりも…」

今は休ませてあげないといけないエルフがちらほらといることから、スライスは言った。

「そうだったな。スライス…彼らに部屋を案内してくれないか?」

「はい。では…」

スライスは、ルシウス兄妹以外のハイエルフを城の部屋へと案内するために、城の中へと入って行ったのである。

「で、俺たちは…」

「そうだな…ちょっと城の客間で話そうか」

そう、一応は客間もあるのだ。

まあ、ない方が可笑しいんだけど…と俺は、改めて自己紹介もしたい所だと思いながら、ルシウスたちを城の中にある客間へと案内したのだった。






一方、北東大陸にあるノイント都市国家。

ここは、同じ大陸内にあるドナルト共和国とは、友好国を結んでいることから、エルフの森の一つである、フォルダニアの森とも昔から友好を結んでいた。


「いつも…すみません」

ノイント都市国家を治める、若き大統領リリア・ネルソン・ルスト・アルヴィーンは、ベッド上で往診に来てくれた、シェルファ・L・フォルダニアに礼を言っていた。

「いえいえ。ただ、いつも言っているように無理はしてはいけないと言っているでしょう」

「は、はい…。分かってはいるのですが、民のことを思うとどうしても体が動いてしまうのです」

「まあ、リリア殿の民思いは今に始まったことではありませんし、昔に比べるとこの国は本当に良い国になりましたからね」

昔は、様々な資源を巡って、ラグーン王国やゼノア帝国との戦乱は絶えなかったものの、今は民の心に一つにしているからこそ、長期に渡る休戦条約を結んでいるのであった。

「ええ。コレからも平穏の維持のために頑張りたいと思っています」

「そうですね。但し、無理だけはいけませんよ。何度も念を押しますが」

今回、胸膜炎の症状は比較的に軽度で済んだものの、下手したら命を落としかねないことを念押ししながら、シェルファは、調合した薬をリリアの世話係に渡したのである。

「はい。先生、ありがとうございました」

「では、私はこれで…」

シェルファはそう言うと、瞬間移動魔法でフォルダニアの森へと帰って行ったのだった。




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