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第54話

色々と気になる点は、大いにあるかと思いますが、アレコレソレドレと気にしないで下さい。

「北方大陸リベルダ領土…だと?」

ルシウスは、かつて勇者と魔王が最終決戦として、平和を生み出すために戦った場所であることを思い出しながら言った。

「ああ。俺、そこで今は大魔王としてのんびりとスローライフ計画しているんだ」

「ふむ…。大魔王復活したと噂には聞いていたが、まさか…このようなヤツが大魔王だとはな…」

「どうする?兄さん」

「フリックが平穏に安心して暮らせる所ならば、僕はどこでもいい」

マイラスとクレイスは、森の奥でひっそりと暮らし続けるのは、限界だということから言った。それは、ピュリアーツの森に住むハイエルフも同じことであった。

「…そうだな。ここにいたら、いずれは見付かるだろう。それと言い忘れていたが、フリックを助けてくれたことに礼を言う」

「いやいや。ただ首を突っ込んだけだから…」

シリウスはそう返すと、フリックは気が付いたようである。

「ううーん…にーさま…!?」

「ああ。フリック…気が付いたか」

「ルシウシュにーさま…!」

フリックは、クレイスやマイラスよりもルシウスの所へと抱き付いたのである。

「僕もいるのに…」

「うん。僕よりもルシウス兄さんなんだね…フリック」

マイラスとクレイスは、少し一番上の兄であるルシウスに焼き餅を抱きながら言った。

「マイラシュにーさまもクレイシュにーさまもだいしゅき!でも、ルシウシュにーさまがいちばんだいしゅき!」

兄のことが大好きなフリックは、何だかんだと一番上のルシウスの方が好きだったのである。

「ま、まあ…一番見ていた方に懐くって言うし…」

「まあな。フリックが生まれた時からずっと見ていたからな。それよりも、フリックの服を用意してくれたんだな」

ふとルシウスは、フリックに羽織っている青系のローブを見て言った。

「あ、ああ。朝、青がいいって言っていたから」

「ボク、あおがしゅきなの!あおまほーちゅかってみたいの」

「それはダメだ。フリック」

「どーしてなの?ボクもにーさまみたいにまほーちゅかいたいの」

また、フリックは泣き出しそうになりながら言ったのである。

「別にいいんじゃないか?魔法の一つや二つと教えてやったら?」

「…俺だって教えてあげたいと思っているさ。とにかくと今はここから離れるのが先だな」

ルシウスはそう言うと、ピュリアーツの森の一族の皆に北方大陸へと移住することを伝えるために、即席で用意した、奥の広場へと向かって行ったのである。

「な、なあ…どうして、ルシウスはフリックに魔法を教えてあげないんだ?」

「あ、ああ…それは、フリックのマナは俺たち以上なんだ」

超越した魔力を持つからこそ、暴走為かねないことから、ネイサスはフリックの頭を優しげに撫でながら、言ったのである。

「それに…いや。その話は今はやめておこう」

「にーさま…」

「ん?どうした?フリック」

「クマさん…どこ?」

3歳の時に両親から誕生日プレゼントとして貰った、一番のお気に入りのクマのぬいぐるみがないことにフリックは、また、泣き出しそうになっていた。

「フリック………」

クレイスは、そんなフリックを抱き締めるようにしながら、お気に入りのクマのぬいぐるみが紛失してしまったことを言えず、気絶させたのだった。





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