第52話
色々とグダグダ過ぎの為、アレコレソレドレと気にしないで下さい。
「さっき…ルシウス兄さんのことで凄く泣き出しそうになったけど、何か聞かされたのかい?」
シリウスは、フリックの傷を念入りに癒やすために治療魔法として≪全快魔法≫を施しながら言った。
「う、うん…。あのね…にーさまね…ううぅ………ひっく……ひっく……」
「フリック…。もういい…無理に話さなくていいから」
男たちに聞かされた話にフリックは言おうとしたものの、辛そうにまた泣き出しそうになった所を意図も経ってもいられなくなったのか、レイオスはノックも無しに勝手に入ったのである。
「俺のフリックに何を言ったんだ!シリウス!」
「レイオシュにーさま…!シリウシュおにいちゃまはわりゅくないの…」
泣き出してしまった、フリックにレイオスは抱き締めながら言うものの、シリウスを庇うようにフリックは言ったのである。
「フリック…」
「とにかく…俺に出来るのはここまでだ。今日の所はもうゆっくり休め」
「シリウシュおにいちゃま…」
「ん?何だ?」
「いっしょにオネンネしてほしーの…」
「えっ…?俺?」
「ダメなの…?ひとりはこわいの…」
「フリック。俺たちがいるだろう?シリウスは兄じゃないし…」
「うー…シリウシュおにいちゃまがいいの!だ、だって…だって…」
「…分かったよ。今日だけだからな」
一台しかないベッドに宿屋の店員に無理を言ってもう一台を部屋へと運んで貰うと、シリウスは、フリックを寝かし付けるようにすると、あっという間にフリックは寝てしまったのである。
「この様子だと…余程、酷いことを言われたみたいだな…」
「…そうだな。明日は朝一でピュリアーツの森に帰れば分かるかも知れないな」
「森まで一緒に共にしよう。俺の力で何か役に立つかも知れない」
下手したら、ピュリアーツの森の住人は、既にラグーン王国の者の手によって殺されている可能性があるかも知れないことから、シリウスは言ったのである。
「…ルシウス兄貴たちがそう簡単にやられるとは思えないがな…」
「…それでもだ。フリックの様子からすると尋常じゃないからな」
シリウスは、今は安らかにフリックに眠って貰うために魔法で、安らかに眠る魔法を施しながら言ったのである。
「なっ…!?どこに行ったというんだ」
ラグーン王国内で、その日の夜遅くにフリックが地下からいなくなったことにデイルスは気付いたのである。
「あの身体でここから抜け出したとでも言うのでしょうか…」
「まだ近くにいる筈だ。探し出せ…」
「は、はい!」
カーツは、コーツとルーツを叩き起こすと同時に城の兵士と共に城中を探し出したのである。
また、彼らはまだ、霧が晴れていることに気付いていなかったのである。




