表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/290

第29話

グダグダですが、色々と気にしないで下さい。

「うー…まよったの」


朝、14歳離れた兄である、マイラスが作ったカルボナーラを食べただけで、大好きなデザートである、クリームたっぷりの苺のショートケーキは食べないまま、ピュリアーツの森を飛び出した、銀と青の髪をしている、まだ12歳になったばかりの幼いフリックは、スーレシア王国への道が分からず、迷ってしまったのである。

昨夜、その日の寝かし当番だった兄、8歳上のレイオスから人間の国の話を聞いたことから、人間に対する好奇心が抑え切れず、兄たちが少し席を外した途端、結界が張られている森を抜け出したのだ。

「迷子かい?お嬢ちゃん」

西の大国であるラグーン王国からエルフ狩りをしている、デイルスは優しげな口振りで言った。

「うん。まよったの。ボクね?スーレシアおーこくってくにに行きたいの」

「そうかい。だったら、おじさん達と一緒に来るかい?色々と紹介するよ」

「うん!行くの!」

人間に偏見を持たないフリックは、素直にデイルスの口車に乗せられながら、他の森に隠れ棲むハイエルフたちが乗っている、馬車へと乗ってしまったのである。






「はぁ…何とか出来たな」


ぷよぷよと辺りを動き回るスライムを見ながら、シリウスはドッと溜め息を吐きながら呟いた。


「良くもまぁ…あんな材料でスライムが出来るモノだな…」

「何だか凄くお疲れだね。シリウスさん」

「そ、そりゃあな…あんな材料でスライムが出来るとなると、流石の俺もドッと疲れもするさ。悪いな…マジで簡単な昼食がサンドイッチだけになってしまって」

「ううん。別にいいよ」

サンドイッチ用のパンにツナマヨとスクランブルエッグを挟んだだけという、至ってシンプル過ぎるサンドイッチを今日の昼食にしたのである。


「さてと…スライムを何とか生成出来たことだし、人面樹というモンスターを生成するかな」

自給自足として調味料となるプラントは先に生成したものの、野菜や果物の原料となるモンスターを生成しようと思い、シリウスは例の如くで本を開いたのである。


「…………………………………………………………」

「シリウスさん?」

「あー…すまない。材料を採りに行かないといけないようだ」

そう、人面樹系には『その辺に転がっている木の枝』が必要不可欠らしい。

まあ、分からないでもないけど。

ただな?ゴボウって何?ゴボウって…!?

別にゴボウは不味くないけどさ?

キンピラゴボウとか天麩羅とかその他諸々にすると、スッゲー美味いけどさ?

人面樹を生成するのにゴボウっているのか?と不思議に思っただけなのだ。

ま、まあ。そうだよな。

調味料系のプラントを生成する際、何故か塩とか砂糖とか普通に材料であったし。

とにかくとしつこいようだが、あれやこれやと色々と気にしていたら、異世界でやっていけないだろうと俺は思ったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ