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第20話

色々な意味合いで、突っ込まないで下さい。

今回はグダグダに突っ走りながら、今度こそ完結を目指していきたいと思っています。


「後はニンニクを入れよう。精が付くからな…」


当然の来訪者であるミレイに俺はお粥を作っていた。

こちらの世界の人間だといいな。

それに色々と知っていると尚更なんだけど。


「う、ううーん…アレ?」

「おっ!?気が付いたか…ミレイさん」

俺はノックと共に出来たばかりのお粥を持って部屋へと入ったのである。

「ここは俺の城だ…。話の途中で倒れたんだぞ…お前」

「ご、ごめんなさい」

「別にいいさ。とりあえず、冷めない内に食べな」

「頂きます…」

ふぅふぅとしながら、ミレイは卵粥を食べ始めた。

「お、美味しい…!何コレ?」

「何ってお粥だよ。まあ、材料は今の所は召喚魔法で出すしか無かったから勘弁してくれよ?」

「ううん。別に構わないわ。こんな美味しい物が世の中にあったなんて…」

そうミレイは言いながら、あっという間に食べてしまったのである。

「そうか。で…魔法だっけ?そのミレイさんが魔法として使おうと思っていた魔法使いフォルナの本って…今、持っているかい?」

「ええ。持っているわ…。後世のために書き残したという本よ」

ミレイは、リュックの中から『魔法使いフォルナの魔法入門書』を取り出したのである。

「コレが…魔法使いフォルナが後世のために書き残した本か…どれどれ」

俺はミレイに言われるままに読み始めた。


な、何だ?コレ?

何処も彼処も読み間違いじゃないか!

Fireの読みは、ファイアだろっ!?

なんで、フィレなんだ!?

確かにフィレって…ローマ字読みで読めるけどさ?

そうだ。今日の夜はヒレ肉でカツレツにしよう。

今、この場で夕飯を考える俺って…。まあいいか。

それに…他にもあるぞ。あー…言い出したらキリがないな。


「どう?あたしにも出来そうな魔法、あるかな?入門書の割には全然出来なくって。フィレって火の魔法の初歩の初歩なのに…」

「あー…残念なことを一言言っておこう」

「何?シリウスさん」

「…この本。魔法の読み間違いしているぞ。きっと後世のために魔法はもう必要ないと思ったんだろうな…」

転生する際、双子の妹同様に平和を誰よりも望んでいた彼女たちだからとシリウスは言ったのである。

「…そうなんだ。そっか…そうだよね。もう魔王と勇者は永遠に争うことなんてないもんね」

「そういうことだ。まあ、俺が君の能力の分析次第では、君に使えそうな魔法は教えられるかも知れないな」

「ホント…!?シリウスさん」

「ああ。代わりにと言っちゃなんだが…この世界のことを教えてくれないか?」

何も知らないまま、このまま異世界を過ごすのは何だか気が引ける気がしたことから、この世界のことを知っていそうだと思いながら、シリウスは言ったのである。

「ええ、いいわよ。色々と教えてあげる。と言ってもあたしも余り世界のこととか詳しくないんだけどね」

交換条件の下、ミレイはこの世界について語り始めたのだった。


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