番外編84 エーネニア
ちょ、ちょっと!?何?
うち、何も変なことなんてしてないで?
ただ単に気に食わん女に向かって「キッモーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」っていつものように声を掛けてただけやで?
みんな言うやろ?気に食わん女にさ?
別にいじめてへんし?
それぐらいでいじめって言われると、嫌やで?
うち、古屋溫子って言うんやけどね?
小3・中学1、2年と同じクラスのただ単に気に食わん女がいたんや。
小3の時、メッチャ嫌やってん!その女。
トイレ掃除の度に左右は間違えてスリッパ置くわ、給食を食うのはトロいわ、ドッジボールの授業で担任の橋元昭子の提案に沿ってみんなでボール当てまくるという快感してただけやで?
別にいじめてへんし?うち?
だからってさ?
何なん?
『とりあえず、ゼノア帝国で豚になっとき!』
って言う謎めいた声で気が付けば、豚小屋って何なん?
ってかさ?絶世の美少女古屋溫子様が豚になっときってないわー!マジで。
あの気に食わん女なら分かるけどさ?
「何だべ?エーネニアって名付けた豚も結局は雄だったべ」
「豚は食用に出せないべ?」
「いつものように殺傷分するしかないべ?」
「んだな。雌は増えてるって所もあるけど、うちはずっと雄だべ」
雄は食用にならないから恨むんじゃねぇぞ?と言われるまま、うちは、あっという間に切られてしまったのだった。
第二の人生も第三の人生も第四の人生も第五の人生もコレから先、豚として転生する羽目になったのは、あのキッモい女のせいなんやろうなぁ…。