番外編80 スカーシュ・エレン
「今回の職場、ガチで最高…!」
時給は昇級制の1500円~だし、平日の週3日~だし、勤務時間は9時~18時の内3時間~だし、完全土日祝、夏季休暇、年末年始休暇だし、社会保険完備、リゾート施設あり等などと待遇が前職はかなりいいんだよね。そして、何よりもさ?暴言を言う主婦がいないってのが何よりもいい!前職は、無意識といっていいほどに暴言をグダグダという主婦が多かったから。
「何だか凄く気分が良さそうだね」
「分かります!?」
「ええ。凄く顔に出てたから」
そう、そうなのだ。
ここは、正に天国といっていい程に人間関係が良好だから。
ただ、試用期間にクリアしなければいけないので、今は2ヶ月目に差し掛かった所だし、気が抜けない。ま、まぁ…前職と仕事内容は似ているし、今の所は問題ないかなって感じ。
ガタガタ…
「ん?地震?」
「そうだね。地震、最近は多いよね」
確かに今年に入ってから、やたらと地震は多い。
嫌だよね。地震で命を落とすってマジでない。
ガタガタガタ…
ビーゴン!ビーゴン!ビーゴン!
「ゲッ!スマホに警報が鳴ってる!」
「震度7強!?震度6強までじゃなかったの!?」
「津波!?」
「みんな!今すぐ避難よ!」
とにかくと今はすぐに手荷物をまとめると、私たちは、近くにある中学校へと避難することにしたのである。
はぁ~…転職して2ヶ月だよ?
地震ってホントにないなぁ…。
アレから地震は途切れることもないまま、地球活動期にスイッチが入ったかのように、地球毎、消えてしまったのである。
「ってあれ?」
気が付いた私は、全く見覚えのない世界にいた。
髪もアレ?茶に染めてた髪は、緑系に近い色合いの色に目の色だってピンクである。
まさかと思うけど、無意識の内に異世界転生…しちゃったってオチ?
「おいっ!スカーシュ・エレン。何、ボサッとしてんだよ?」
「スカーシュ・エレン?」
誰よ?それ?つーか…アンタこそ誰?
「何だよ。自分の名前だろ。ったく…早く食わないと目の前の豚骨ラーメンが伸びるぞ」
「はいはい…」
ってなんで、ラーメン?
ここって異世界だよね…?と思いながらも、うん。
やっぱり、豚骨ラーメンだわ。
スープの豚骨しっかりしているし、麺のコシも絶妙だし。
ただ、強いていうならさ?色んな麺の種類があるんだよね。
何たって…九州で見られる麺を選んだんだろう。
とりあえず、ここは異世界らしいので、異世界らしいことをしてみたいなと思った、瞬間だったのである。