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番外編75 イェーガ・ボルディン

「今日の出荷量は…1万2000ちょいか。ということは早上がり出来そうだな」

ホワイトボードにデカデカと本日の出荷量を確認した、オレは、いつものようにハンディターミナルという携帯端末機を用いながら、出荷作業を始めたのである。


オレの名は、飯本正志イイモトマサシ

転職活動で、100回目の挑戦で何とかやっと転職した先で、100円ショップ・カンディの出荷作業に追われていた。


1日に多い時で5万、少ない時で1万ちょいという繁忙期と閑散期のある、職場の中、時給は1550円となかなか高時給のある、職場へと転職したのである。


「あーあ。今日は早上がりかよ!コレもあの女が辞めてしまってからずっとだな!」

「ホントホント。主婦側のことを考えて欲しかったよね!あのクズ女が辞めてしまってから閑散期ばっかりで給料がちっとも出ねぇし!」

「あー…マジであん時、ぶっ殺しておけば良かったな」

「そうだね。マジで死ねって感じの面だったし!」


マジでうっとおしいな。

主婦の会話は、マジで泥々していて嫌気が出るぜ。

まぁ、相手するのも嫌だし、オレは黙々と仕事することにしていた。


そんなこんなで、午前の業務終了間近へと迎える中、担当の小田優がパートのみんなを集めたのである。


「えー…本日の業務はコレにて終了とする。各自、解散」


おおっ!マジで今日は早く終わった。

たまには、いいよなぁ。

というか、いつも17時までという予定だけど、ここの所と午後になる前に上がりだ。


「おいっ!お前さ?早く上がることになんでそんなに嬉しいんだ!?」

ドカッとオレの背中を蹴りながら、先程の主婦の一人が言ったのだ。

「つぅ…!い、いきなり蹴るって何だよ?」

「はぁ?言葉の使い方がなってねぇな!」

というか、それさ?

人のことを言えるのかよ。

人のことを蹴っておいてさ?

「別に人の勝手だろう。プライベートの時間だって大事に決まっているし」

「はぁ?男のくせに?プライベートって大事ってありえねぇ!」

「男なら仕事だろ!仕事!」

口々に主婦陣は、なんて言い方だよ!とオレは思いながら、荷物をまとめると共に職場を後にしたのである。



「あーあ…転職先は時給がいいから転職したけど、あんな主婦がいるとは思いもしなかったなぁー…」

サッサと帰るかとオレはバイク運転しようとした途端、大きな揺れに襲われてしまったのだった。



『えー…本日はご愁傷様でした。今からあなたには、イェーガ・ボルディンという名で、第二の人生を歩んでもらいまーす』


はぁ?何だって?いきなり何なんだと言いたくなる中、オレは、あっという間にどこかへと転生する羽目になってしまったのである。



気が付けば、オレは、ソルディア・カオスティック・マジフィニクッスと呼ばれる、魔物との戦いに身を投じていた。


「フレア・オブ・スネーク」

ひたすらにオレは、周りと同じく火魔法を使いながら、終わりの見えない魔物との戦いの末、第二の人生を20年余りの幕で、閉じてしまったのである。



というかさ?第二の人生ぐらいさ?ゆっくりと過ごす時間ぐらいくれよと思ってしまった、オレであった。


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