番外編68 魔石(その8)
何よ!?ちょっと気に食わないから一ヶ月近く殴っただけでさ?
不登校になるってどういう神経してんの!?あいつ!
うちは悪くないよ!
あいつが悪いんだ!
毎回、クラスの平均点を大きく下げるあいつが悪い!
うち、中村有里って言うんだけどさ!?
あいつさ?
すんごくと言っていい程にバカなんだよね!
中学のテストだよ?義務教育だよ!?
数学のテストで経った58点ってどういうバカな頭してんの!?
普通さ?数学なんてさ?
90点以上採れるやろ!?うちなんて2点っていう超高得点だよ!
それだというのにさ!?58点ってバカだよね!あいつ!
って何?自分のことを棚に上げて言うな?
うちはバカじゃないよ!
部活してるから勉強する時間がないだけだからさ!
帰宅部のあいつは勉強する時間はたっぷりあるってのに58点採るって有り得ないよね!
でさ?
何たってさ?気が付いたら、こんな変な所にいる訳!?
『たまたま空きがあっただけのその辺に落ちているけど、何も出来ない魔石』って謎の声に言われるままに気が付いたら、ここだよ!
何なの!?
たまたま空きがあっただけって言い方、バカにしてんの?
この超天才のうちをバカにしてんのかって話だよね。
何も出来ない処か動けないんだけど!?
魔石って名前を付けといて、何も出来ないってどういう世界だよ!
全く…どこの世界かどうか分からないけどさ?
うちのことをバカにしたら、タダじゃ済まないんだからね!って言った所で、誰も気付かれないまま、このまま、うちは、人生をあっという間に生を終えてしまったのだった。