番外編67 魔枝(その3)
≪その辺にゴロゴロと転がっているけど、何も出来ないまま、生をあっという間に終えてしまう魔枝≫
って何なの?あたし、何かしました?
あたし、桜田由里惠って名前なんだけど、何かしました?
そりゃね?
あたしだって色々とストレスってのはあったわ。
で、誰とも話をしない女子生徒がいたのよね。
だからこそ、その女子生徒には、周りと一緒にイジメもしちゃったわ。
周りがするのだから、ここは、乗っかってするしかないものなのよね。
そうしなければ、あたしも、イジメられる側になってしまうから。
だからってさ?
このあたしに魔枝って人生って何なの?
ホントに何なのかしら?
そういえば、前にも同じように魔枝として転生したおばさんいたわね。
何かと憎しみを込めて呟いてたわ。
あたしも、そんな感じだったのかな。
だからってさ?魔枝って何?
何も出来ないままって正にその通りの意味合いで、何も出来ないなんて。
動かすことも出来なければ、声すら届かない。
ん?誰か来たみたい?
「はぁ~…枝か。魔枝って言うから期待したけど、コレは使えそうにないなぁ…」
「とっとと燃やしてしまえよ」
誰かに言われるまま、あたしの身体にその手に取った人は燃やしてしまったのだった。
こんな人生…嫌。
あっという間に本当に生を終えるなんて…。
第二の人生…楽な人生じゃないなんて…あたしの罪は…消えないモノなの…?
心の中で叫んでも、誰も届かないまま、あっという間に生を終えてしまったのである。