番外編64 レフィーリア・アルヴィーン
どんな時も明るく。
どんな時も優しく。
どんな時も諦めない。
それが、私。レフィーリア・アルヴィーン。
今、私は、故郷のノイント都市国家を、魔王が編み出した魔物との戦いに身を投じていた。
この世界は、1万年毎に生まれる勇者と魔王との戦いが常に起き、人々は、魔王が編み出した魔物を倒す役割を受けているのだ。
「大丈夫。大丈夫…今度こそ魔王との戦いは終わる筈」
聖龍暦4万年を迎えた今、4度目の正直で魔法使いと僧侶はやってくれる筈だと思いながら、私は、剣と魔法を屈指していた。
「そうだ!レフィーリア様に続けー!」
あの自信に満ちた、レフィーリアに続くようにしながら、レフィーリアを慕う者たちは、剣を振るう力を取り戻したかのように、魔物に向けて剣を放っていた。
「なっ!ま、魔物が弓を…!?」
弓を使う魔物なんて聞いたことなんて…必死に降り注ぎ出した、弓矢を剣と魔法で弾くのが精一杯になってしまったのだ。
「こ、このままでは…!」
「れ、レフィーリア様…!」
「つぅ…!」
誰かを守るようにしながら、レフィーリアは、咄嗟に庇ってしまい、倒れてしまった。
「だ、大丈夫…?」
「れ、レフィーリア様…!し、しっかりしてください…!」
「わ、私…。もう………」
「レフィーリア様…!」
「き、きっと…コレから先…平和に…なる…わ…」
「…平和…?」
「そう…。平和の街になる…。だから…私は…平和の中に常にいるわ…」
レフィーリアは、もうこれ以上は動かなかった。
「…あなたのために…。あなたのために…国に…名を…残そう…」
誰もがこの場にいる者たちは、そう呟きながら、魔物の攻撃を受け、息絶えてしまったのだった。
『人の人生は…何が分からないモノなのね。あなたの生は、あっという間だったけど、第二の人生に空きはあるわ』
その様子を見ていた、ある者は、レフィーリア・アルヴィーンを新たなる生を授けることにしたのだ。
レフィーリア・アルヴィーンは、後にノイント都市国家で、平和の街・レフィーリアとして名を残し、増田明里という新たに生を受け、日本にある大阪府で、誰でも優しく、時には明るく振る舞う女の子として、前世の記憶を無くして、生を受けたのだった。