番外編55 魔の小石
実際にいた同級生の残念なヤツです。
んー!?何だ?コレ?
身体が全然動かないんだが…?
そういえば、さっき…『その辺にむわっと転がっている中にある、魔の小石』って言われたんだが、どういうことだ?
そうそう、俺の名は、西垣翔大。
高校卒業後、たまたま付き合ってた何となくという女と結婚した。
で、女には、片道6時間掛けながら仕事しつつ、家事・育児は完璧にして欲しいこととか俺のママの介護もして欲しいと頼み、俺は遊びながら仕事するという、生活費は全て女任せの超イクメン男なんだけどさ?
ある日、女が言ったんだ。
「あなたみたいな男は最低!出ていく!」って言ったまま、育児放棄の上にママの介護も放棄。何考えてんだ?せっかくさ?メリット多数の条件で、結婚したってのに。どこからどこまで不満なんだ!?って話だ。
で、気が付いたら、変な所にいたって訳だ。
その後、何とかって世界に飛ばされた挙げ句に小石ってなんだよ?
魔の小石ってどういう効果あるのかどうか、説明しろって話だよな。
ん?前に変な人がいるなぁ。
耳が尖ってる?まさか…ここっていわゆる異世界なのか?
「ふむ…。ただ単にほんのすこし光っているだけの魔の小石か。コレではあいつのために作れないな」
俺を拾うなり、ぽいっとどこかに捨てたぞ。
つーか…俺の扱い、雑過ぎるだろ!ちゃんと扱えよ!立派に過ごして来た人間なんだぞ!
そういえば、昔。
気に食わん女が中学3年の時にいたなぁ。
言い間違いとかメッチャ酷い上に食うのが遅い女。
1秒で食えって言っても聞き耳持たん女だったなぁ。
給食ってのは1秒で食えるもんだし?
ちんたらかんたら15分25.0024784778477845447845855455474854778845578785445秒掛けて食うもんじゃねーんし?
別に俺、几帳面じゃねーよ?
というよりも、結婚した相手も遅食いだった。
ガキが泣いてんだから、1秒内で食えって言いながら殴ったんだよなぁ。
で、いつしか子ども置いて出ていくって言い出したし。
ホント、傲慢な女だった。身勝手過ぎるわ。
この世界も俺のことをぽいっと投げてしまう残念な世界なんだなぁと思いながら、俺は、このままあっという間に生を終えてしまったのだった。