番外編49 ロジニード・ヴァルシオン
「ひたすらに斬る…!」
今、新たなる勇者ご一行は、1万年振りに復活を果たした魔王との戦いに明け暮れている中、魔王が生成した魔物は、世界各地に散らばっているが故に俺たちは、ひたすらに魔物との戦いに明け暮れていた。
何しろ、魔物は危険な存在なのだ。
放っておけば、何を仕出かすか分かったもんじゃないからな。
で、ひたすらにだ。
斬って…斬って…斬り捨てるしかない存在なのだ。
ったく…今年の勇者は大丈夫かね?
ってそれは、毎回ながらと魔王の復活と同時に勇者も生まれる。
1万年という長い年月の内、10数年は勇者は勇者として鍛え上げられ、その後は魔王討伐の旅へと出されるのだ。
で、10数年の間に魔王は、魔物生成し、世界へと放つのだ。
ホント、有り難迷惑同士の関係だな。
いつの時代になるのか分からないけどさ?
魔物が人を襲わない時代は来るのだろうか?
いや、そもそもだ。
魔王時代が復活しない時代って来るのか。
何たって魔王が生まれて来るのか分からない。
ただ、少しばかりと風の噂で聞いたんだよな。
ある国のある女性は、何でも第二の人生は抽選され、異世界とやらに転生するらしい。
で、その自分もまた、異世界の中でモヤモヤとなりつつも魔物との戦いに明け暮れてしまうとか。
だからってなぁ?
第二の人生が抽選ってどうかと思う。
自分で人生を選びたいもんだよな。まぁ、生まれて来る人生なんて選べる訳がないにしろ、第二の人生ぐらいは自由に選びたいと思っていたら、俺はいつしかだ。
その抽選会場へと飛ばされていたのだった。
そっか。
独り言をぶつぶつ言うんじゃねー…と誰かの声は聞こえたものの、気が付けば、ここだ。
成る程。ここが第二の人生を選ばれていく場所か。
何とも殺風景かと思えば、暗闇の中で何ともいえない美味しそうな匂い。
とりあえず、俺は第二の人生は、前の世界と変わらないらしい。
変わらないが、聖龍暦99980年って前いた世界よりも4万年ほど先の未来じゃないか。
どうなってんだ?と思いつつ、俺は、新たな名前である「ロジニード・ヴァルシオン」として、普通に過ごす道を選んだのだった。