番外編47 魔草(その2)
『その辺に恐らく生えている、魔草』
何っスか?その変なネーミングは!?と言いたくなる中、俺は、どっかの世界で、魔草として転生してしまった。
俺の名は、草間裕哉。
今、俺は猛烈に仕事に打ち込んでいた。
来る日も来る日も入力業務に追われ、毎日のように終電で帰っていた。
何しろ、超が付く程に今、人手不足なのだ。
女性は、出産を機に仕事は辞めていくし、男は男で今の超不景気の中、転職活動に専念したいという理由で、同じく辞めていくが故に今、会社に社員は経った俺を含めた2名とパートの1名で仕事を回している現状だ。
パートは9時~15時で帰ってしまうから仕方ない。プライベート優先したいって言ってたし、強制的に残業はさせられないからな。たださ?社員は常に残業ってキツいわ…。給与はいい分、人が余りにもな…。
あー…マジでゆっくり寝てぇ………ん?
何だ…?暗いな。
俺、体はどこよ?なんで、魂みたいなモノがいっぱいあるんだ?
んん?俺、死にました?
心当たり…ねぇぞ?まぁ、寝不足の連日だったし、食生活も余りいいとは呼べないけど…無意識の内に死んでしまいました?
うーん。これは受け入れるしかないか。
次々と何かその辺の何かって言われながら、どっかに行ってるし。
あー…俺も強制的にか…と思っていたら、案の定だった。
次に目が醒めたら、確かに草だ。
魔草って…何か効果あるのか?
うーん。異世界系の魔草って余り聞いたことがないな。アレコレとライトノベルは読んでいたけど、最近のは読んでいないから分からん。
まぁ、気にしても無駄だな…っていてっ!
だ、誰だよ?俺を無造作に………。
あ、あかん…。俺、もう…ダメかも知れん。
何か呆気ない第二の人生だった。
もし、第三の人生が今後もあるのならば、呆気ない人生で終わりたくないなと密かに思った俺であった。