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番外編41 エイミ・シュナイデッド

あー…終わらない!

片道1時間掛けて出勤と同時に今、山のようにある仕事に追われていた。

幾らPCで入力しても、次から次へと営業は入力しろと山のように仕様書を押し付けて来るのだ。その量ったらそれはもうマジでキリがない。

「あー…簡単な仕事って言うから応募したのになぁ…」

「ぼやくな…。あたしだってそうだよ」

しっかりした研修完備って求人で触れておきながら、サッと説明しただけ。

両隣の1、2日早く勤務している先輩に聞いて、漸くと分かって来たぐらい。

ただ、ひたすらに入力。

Word・Excelのフォーマットは事前に用意されているが故にそのフォーマットに沿って入力するだけとはいえ、量がもう…ヤバい。

手が疲れるし、休むとウダグダと言って来るしさ。

3時間~と勤務時間の中、常に今は人手不足だからと優に10時間は超える勤務時間を押し付けられ、終電帰りを繰り返している。

最初の希望はどこに消えたんだかと思いながら、来月に振り込まれる給与に期待しながら、あたしたちは、ひたすらにPCに向かって入力をしていた。



マジで現実逃避したい気分だなぁ………。

あ、アレ…?

先輩?どこ?ここ?どこ?いや、オフィスにいた筈なんだけど?

なんで暗いんだ?

オフィスの電気は点いていた筈だ。

なんで?何があったんだろ?停電?う、うーん。

停電にしては、なんか静かだなぁ。

ん?何だろう?急に騒がしくなったけど、暗いままだなぁ。



『え、ええー…これより第二の人生を抽選していきたいと思いますので、呼ばれた方は問答無用で行ってくださいねー』

は、はい?第二の人生?そういえば、ここの所とロクに食事なんて摂って無かったっけ?

最後に何を食べたっけ?え、えっと…カ○リーメ○トだっけ?あのクッキーみたいなもん。

だからって死…?い、いやいや。あるか。栄養不足だったし…。



何やら魔石だの魔草だの魔枝だの魔貝だの…その辺の何かと言われながら、抽選されて行っちゃったよ?


で、気が付けばとあたしの番だった。

ええい!もう箱の中に突っ込んじゃえ…!どこに手があるんだろうと疑問に感じつつ、何かを受け取ると良く分からない人みたいな人が読み上げたのだ。


『転生名前はエイミ・シュナイデッド(女)、転生種族は人間、転生日は聖龍歴99985年4月4日、転生先はソルディア・カオスティック・マジフィニクッス・ピーストにあるクアルト共和国、転生特典は色魔法のセンス、プレゼントはカラー辞典』


何?と有無を言う暇もないまま、あたしは何やら訳の分からない異世界へと強制的に転生することになってしまったのである。



「異世界に転生も案外、悪くないかも知れない…」

あんなに忙しく感じた入力作業から解放された今、あたしは新たな名前としてエイミ・シュナイデッドという名前で15年、不自由もないまま、過ごしていた。ただ、心残りなのは、この世界の食事だ。

ただ単に切って煮込んだだけの野菜。味気ないんだよね。

不味いか美味いかと聞かれれば、正直言って不味い。味が…う、うーんだから。

そういえば、噂に聞く北の領土。

近頃は街へと発展していると噂はあるし、いつの日か行ってみようかなぁ。

かつては魔王の領土だからと何万年経った今も瘴気が付き纏うから行くなと言われているけれど、行ってみたいのが転生者の運命だよ。

とりあえず、色のセンスを今はしっかりと磨いておこうと密かに思ったあたしであった。



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