番外編26 浅井有佳
「うー…キリがなーーーーーーーーーーーーい!」
もうヤダ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この生活、いつまで続くのよーーーーーーーーーーー!
あたし、ユイ。
前世は、浅井有佳って言うんだけど、今はユイっていう名前。
どういう訳なのか、あたしは異世界転生者。
で、ソルディア・カオスティック・マジフィニクッスって呼ばれる世界で、うじゃうじゃと沸いて来る、魔物との終わりの見えない戦いに身を置いていた。
「何を好き好んでこんな道を歩みたいと思った訳じゃないけどさーーーーーーーー!?」
長ったらしい詠唱しながら、ひたすらにあたしはファイア、サンダーを連発していた。
結界の中とはいえ、詠唱はやりやすいのは有り難いよ?
それにさ?魔法を使う世界は憧れていたよ?
でもさ?こんな魔物がうじゃうじゃと襲って来るような異世界に転生って…?
魔王アリシア・リノベイションって…無差別過ぎるんだよ。
前世で何が遭ったのか知らないけど、腹いせにも度が超えてるってば!
「クッ…!」
「つぅ…!」
結界の中だというのに、どんどんとあたしの周りから人が倒れていく。
マナ切れか…。
あたしも限界といえば、限界なんだよね。
「ウッガルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ~~~~~!」
超大型モンスターが結界を破るために大群で、ここを攻撃し始めた。
「うっ…!」
マジで強烈過ぎ…。デカいにも度が超えてるじゃん。
何よアレ?前線で戦ってた戦士。
普通にアレと戦ってたってこと!?
間近で見ると、ヤバい。怖すぎ。
パリ…!
(ヤバい…結界が………!)
魔法で何重も張られた結界にヒビが入ると同時にあたしは、その大型モンスターの牙に避けきれず、肩を怪我してしまった。
「つぅ…お、思ってた以上に…出血が…」
マジで第二の人生、あっという間…じゃん。
そういえば、転生する時。
何も特典みたいなモノ、貰えなかったな…。
殆どの人たちは、特典さ?貰ってたのに。
きっと、色々な人たちに特典を与え過ぎたんだな…多分。
今度こそ平和な日本に改めて転生出来るといいなと思いつつ、あたしの人生はここで第二の人生を終えてしまったのだった。
はぁ…転生女神は、本当に意地が悪いな…。
第三の人生も魔物と戦いを繰り広げる過去の世界なんて…さ。