番外編9 アリシア・リノベイション
番外編、たまに本編に登場するキャラクターもいずれ、出していくかも知れません。
あたしの名は、田中爽子。
子どもの頃から最悪の人生を歩んで来た。
何たってあたしの名前は、爽子という名前だからさ?
理由なんてどうでもいい理由から、子どもの頃からイジメの標的を受けて青春を過ごした。
そんなあたしが何をしたって言うんだか。
「さっわんじゃねぇよ!ブス!」
ちょうどクラスで席替えと同時に少し相手にぶつかっただけで、あたしは相手から暴力を受けた。
「つぅ…!ちょっとぶつかっただけで何…!?」
「ブスが何言おうがブス!」
「ブスブスブス!」
「死ね!クラスのブスが!」
あたしが反論しただけで、一斉に男女問わずにブス攻撃だ。
確かにあたしはさ?
そばかす顔だよ。両親の遺伝バッチリだよ。
だからって…いや。
そうだよね。なんで、神様ってのは平等に作らなかったんだろうね。
まあ、神様ってのは偶像神だし、実際の中で存在しないのだから…誰のせいでもないんだけど、好き好んでこんな顔で生まれた訳じゃないよ!
「ブスは引っ込んでろ!ブース!」
遂には担任の藤林京子まで言い始めた。
あたしは、担任も嫌だったんだよね。
この担任と来たら、あたしの採点だけすぐ0点にするしさ?
書いた跡も消すし、最悪の教師だった。
オマケに毎回、教室に入る度にさ?
机と椅子が無いんだよね。
そんなこんなで、小学校生活を送ったし、中学になる頃にはもっと最悪だった。
中学になった頃、両親は早くに病気で亡くなった。
両親の遺したお金で細々と生活するしか無かったんだ。
誰にもそんな話はしていなかった。
なのに、ある日。
「おめぇ!金持ってんだろ!両親の遺産あるだろ!」
授業中にも関わらず、数学教師の尾形弘樹は突然と言ったのだ。
それを聞いたクラス中も言い始めたんだ。
なんで…知ってんの!?
あたしの頭の中は真っ白だよ?
「爽って名前からしてスッゲー遺産あるって聞いたぜ!」
「変な名前を付けるぐらいだ。ガッポリオレらに渡せよ!」
「友好関係の証として持って来いよ!」
クラスの大半は男子の中、あたしは男たちの暴力に責められ、数少ない女からも冷めた目で見られるようになった。
「黙ってねぇで持って来いよ!そうすりゃーよ!?数学の成績は5にしてやるぜ!」
いつも、どんな点を採ろうが1以外付けないクセに。
「おらおらっ!金持ってんだろ!」
「持って来いって言ってんだろ!ああ!?」
もう、授業処じゃ無かった。
ただのいちゃもん漬けというか、暴力が続いた。
あたしは、暴力に耐え切れなかった。
そして、あたしの意識は途切れたんだ。
(そっか…。最期はあいつらに暴力を振るわれて…。許せない…!絶対に復讐してやる…。相手が誰だろうと関係ない…)
こうしてあたしは、第二の人生の中で『魔王アリシア・リノベイション』として転生した。
転生してすぐに行ったこと。
ありのままに殺戮を起こした。
人間たちを許せなかった。
自身の欲望のままに殺戮を行ったが、最期は呆気ない人生で終えてしまった。
この世界にもし、魂を救ってくれる相手がいるとすれば、
本当に誰なのか分からない。
だけど、あたしは………
誰にも恨まれず、普通の生活を送りたかっただけなんだ。
復讐したかったけど、もう、どうでもいい。
第三の人生が来るとすれば、人生をやり直したい。
生まれて来る人生から変わりたいんだ。
誰からも好まれる性格として…人生をもう一度。