番外編4 魔石(その2)
色々と番外編、気にしないで下さい。
本編は4月辺りから60話迄、掲載予定です。あくまでも予定ですので、どうなるかどうかは体調次第です。
オレの名前は、魔石。
ん?前にも魔石について語るヤツがいた?
そうか。そんなヤツもいたっけな。
とりあえず、オレは魔石としてなかなか高性能を持った魔石である。
何が高性能だというと、オレは色の付いた魔石なのだ。
元々、魔石はマナを込めることで、様々なことに活用することが出来る。
そんな中でもオレは、青色の魔石だ。
元より魔石は、何ともいえない色の魔石がそこら中に落ちているが、オレは生まれた時から、青色の魔石として生を受けてから幾年と経っていた。
青色の魔石の活用方法と聞かれれば、様々ある。
特に昔は魔王と勇者の戦いが絶えなかった頃、人間は気休めに安眠をオレに求めたものさ。青色って安眠効果があるらしいからな。
後は、青は水魔法と相性は抜群のせいなのか、昔はさ?
水魔法を見やすくするために魔石を魔導具代わりに使う人間もいた。
実際、水魔法って色合いが透明だからな…。
後は削って水で混ぜて絵画の道具としても使う人間もいた。
絵描きを職にする人間もいたんだよなぁ。
そういえば、今の時代。
絵画道具として使う人間は、いなくなってしまったな。
いつしか、人間は絵画を趣味にする者は勿論、職にする人間もいなくなったものさ。
中には絵という存在も忘れているというか、知らない人間もいるそうだ。
ただ、言いたい。
オレ、生まれ変わる度、あの転生女神から『その辺に落ちちゃっている、色の付いた魔石』って言われながら転生って無いだろう。抽選なら自分でそのクジを引かせろってヤツだ。前世のオレ、ちょっとした嘘を吐いただけで、魔石人生を未来永劫と続ける日々って可笑しいとしか思えないんだが、みんなだってそう思うだろ?魔枝と違って人をこの手で殺していないぞ?
まあ、嘘吐きは泥棒の始まりだと言うし、人間社会に戻るのは難しいかも知れないなと思いつつ、オレはこのままの人生を受け入れようと思う。