番外編2 魔枝
番外編ですので、色々と気にしないで下さい。
あたしの名は、その辺に転がっている木の枝。
なんだけど!?
なんで、そんな変な名前を付けたの!?
今更ながらとあの転生女神にガツン!と言いたくなったわ。
そもそも、この絶世の美女のあたしがさ?
木の枝に転生って何回もさせるっていい加減にしてよ!って話。
あたしが何をしたって言うの?
あたしよりもブスの女たちがさ?
あたしよりも先に次から次へと結婚退職を腹いせにその女を殺しまくった罪だからと一言だけで、この先人生もずっと枝にするって言うし。
そんな理由で、二度と人間に転生させないって何さ!?
しかもさ?
柔い身体なのよ!?
魔枝って言うぐらいだから、丈夫な身体を期待した訳よ?
それが、人間の女が持っただけですぐにボキッって逝く身体ってあり得ないわよね?
ホント、世の中は理不尽だわ。
ああ、どこかに良い男でイケメンが転がってないかしら?
そしたら、あたしを大事にしてくれるかしら?
こんな枝だけど、大事にしてくれるよね。
ってまた、人間の小娘にあたしを掴むじゃないのよ!
コレだから、異世界の女って気を遣えないって嫌だわ。
ああ………また、木の枝に転生しちゃうのよね。
あたし…。
今度こそ一言だけでも、添えさせてよね…。
って一言すら言わせてくれないまま、あたしは異世界にまた、魔枝として転生しちゃったのだった。