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第99話

休載迄、残り1話!

「では、私とシリウスさんとフリックちゃん以外は席を外してくれるかしら?」

リリアの世話をするエレナを始めとする人間をこの場に見せる訳にはいかないことから、シェルファは言った。

「はい。分かりました」

「シェルファ様。リリア様を宜しくお願いします」

世話役たちは、そう言いながらリリアの部屋から出て行ったのである。

「さて…シリウス。準備の方はいいか?」

「あ、ああ…」

素の言葉遣いに戻ったシェルファの下、俺は今からリリアの移植手術兼フリックの蘇生魔法に取り掛かったのである。






一方、ラグーン王国で、カイシェイドに言われるままに文字の解読を頼まれている、

御年70歳を迎えたばかりのアズラッドは、文字の解読に難関の色を見せていた。

彼は、まだ幼かった頃のカイシェイドに教育係として文字の読み書きや計算を教えていたのである。それ故に文字の読み書きが出来るということから、今回のような文字の解読を頼まれてしまったのだ。

「うーむ…。古代文字でもないとなると…うーむ」

数多ある辞書と照らし合わすものの、なかなか思うようにいかないのだ。

「どうかしたんですか?アズラッド先生」

研究室が空いていたことから、ちょうど本を取りに来た、若き青年サフィールは声を掛けたのである。

「う、うむ。カイシェイド王から直々と文字の解読を頼まれたのじゃが、コレがなかなか分からぬのじゃよ」

地下に書かれていた文字を模写した後、研究室にずっと籠もってばかりいることから、アズラッドは返した。

「へぇー…先生も分からないことはあるんですね」

「当たり前じゃ。ワシは万能じゃないぞ」

幾らこの世界の文字を流暢に話すことは出来ても、今まで見たことのない文字の読み書きとなると、至難の業としかないのである。

「で、どんな文字なんですか?」

「う、うむ…。コレじゃよ。お主、分かるか?」

アズラッドから文字を見せられ、サフィールはぷっと笑ってしまったのだ。

「ど、どうしたんじゃ?サフィール」

「い、いえ。何ともシンプルな文字だなぁと思っただけです」

(確かにここはギスギスした国だけど、余りにも平和ボケ過ぎるもんなぁ。それにエルフ狩りって僕は余り好きじゃないし、ここは嘘を教えておくか。あの子のためにもさ)

前にピュリアーツの森に行ったことがあることから、フリックとは認識あることと転生者であるサフィールは、書いてある文字をスラスラと読んだのである。

「…ふむ。そうか…。フリックは魔力切れを起こしてその身に耐え切れずに消滅したということじゃな」

「そういうことですね。まあ、毎日のように抽出されていたら、そうなりますよね」

魔力を持たない側からすると、いまいちと分からないものの、魔力切れと説明すれば、きっと分かってくれる筈だとサフィールは言ったのだ。

「…そうじゃな。サフィール、お手柄じゃぞ」

「いえいえ。この国のためでもありますから」

いずれ、この国を出ようと思っていることからサフィールは、路銀稼ぎをしているに過ぎないのだと言いながら、調べ物に戻ったのである。




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