怪談漫才 〜山奥のトンネル〜
二人「どーもー」
ボケ「死ぬかと思いましたね」
ツッコミ「冒頭から!?」
ボケ「まさか…あんな目に遭うとは」
ツッコミ「えっ!何があったのよ」
ボケ「いやね、僕最近免許を取ったのもあって、ドライブにハマってるんですよ」
ツッコミ「いいじゃないですか」
ボケ「1人で走るのも好きなんですけど、友達とワイワイやりながらドライブも楽しいじゃない」
ツッコミ「最高ですね、皆でドライブなんてそりゃ楽しいですよ」
ボケ「それでよくAとCの3人でドライブするんですけどね」
ツッコミ「…AとC?」
ボケ「AとCよ」
ツッコミ「その友達だよね?」
ボケ「ニュアンスで分かるだろカス」
ツッコミ「どこでイラっとしたんだよ!A君とC君ね!はい覚えました!んでどうしたのよ」
ボケ「このAってのがねー心霊スポット大好きな男なのよ」
ツッコミ「うわ〜絶対ダメだよそれ」
ボケ「その日も皆で海行って帰ってる途中にAが前から気になってるトンネルが近くにあるって言い出してさ」
ツッコミ「なんだよ前から気になってるトンネルって…。初めて口にしたわ」
ボケ「Cもそれにノっちゃってさ…仕方なくそこに行くことになったのよ」
ツッコミ「のるなよC。本当に危ないんだから」
ボケ「そのトンネルってね、外灯なんて一つもないような山奥にあるのよ」
ツッコミ「最悪だもう」
ボケ「んでいざ着いたら、Aが土壇場になってビビリだしてさ」
ツッコミ「うわ発案者なのに」
ボケ「Cもけん玉の絵が上手く書けないってグズりだしてさ」
ツッコミ「けん玉の絵…?」
ボケ「ここまできたら!って俺もなんか火ついちゃってさ3人で中に入ったのよ」
ツッコミ「う、うん。危ないぞ本当に」
ボケ「途中くらいまで歩いて、怖いから歌を歌おうってなったのよ。とびきりハッピーなやつを」
ツッコミ「なんか気を紛らわせる感じよね」
ボケ「そうそう、俺とAがミスチルとかサザンとか大声で歌ってさ、もうとにかく怖いから大熱唱よ」
ツッコミ「トンネルで大熱唱も若干怖いけど」
ボケ「Cもボイスパーカッションで合わせてくれてさ」
ツッコミ「C!パートのチョイス!」
ボケ「そんで歌ってたら突然Aがうずくまっちゃってさ」
ツッコミ「ほら!言わんこっちゃない」
ボケ「そしたら地面のアスファルトに爪立ててガリガリ引っ掻きだしたのよ」
ツッコミ「えぇ…もうヤバイじゃんかそれ!」
ボケ「Aがぶつぶつ言いながらずっと地面を引っ掻いててさ、俺もやめさせようとしたんだけどすごい力で」
ツッコミ「もう…車に戻ろうよ」
ボケ「そう、流石に俺もヤバいってなって車に戻ろうとしたの。もう無理やりA引っ張って、半裸でストレッチしてたCとダッシュで車まで走ったのよ」
ツッコミ「いやC!なぜ身体伸ばしてた!」
ボケ「んでブワァって走りながら、もうすぐ出口だって時にAが、「さっきのとこに戻ろう」って言うのよ…」
ツッコミ「え!なんでよ、帰ろうよA!」
ボケ「あまりにもAが戻る戻る言い出して俺もパニックだったし、いい加減にしろ!って言って振り返ったのよ」
ボケ「そしたら後ろに首から上が無い人が立ってて
「あの下に私の頭があるの」
って言ったの」
ツッコミ「え…」
ボケ「ゾッッッとしてさ!!俺マジで気失いそうになったよ!」
ツッコミ「ちょっとやばすぎる…」
ボケ「Cも、頭がないってことは偏頭痛の辛さ知らないんでしょ!?って指差してさ」
ツッコミ「いやCィ!!お前は恐怖を知らねぇのか!?」
ボケ「もう無理やり車まで2人を引っ張ってさ!なんとか山を下りれたのよ」
ツッコミ「もう最悪のドライブだよ…」
ボケ「んで車走らせてたら俺喉渇いてさ、汗も凄かったし麓にあったコンビニにひとまず寄ったのよ」
ツッコミ「とりあえず安心するね」
ボケ「そしたらAが車から降りてこないの」
ツッコミ「え、なんで」
ボケ「ずっと両膝抱えながら震えてるの…。で、なんかCも星がキレイってウキウキしだして」
ツッコミ「Cィ!横の友達心配してやれ!Aは大丈夫か!」
ボケ「Aは小声でなんか言ってんの」
ツッコミ「な、なんて…?」(怯えながら)
ボケ「俺の隣に知らないやつがいるって」
ツッコミ「…Cじゃなくて?」
ボケ「いやCは俺以外に見えてないからさ」
ツッコミ「…は?」
ボケ「4年前に死んだの」
ツッコミ「え、まってどゆこと?」
ボケ「ひでぇ事故だったんだ。あいつも夢半ばだったのに」
ツッコミ「そんな…」
ボケ「今も…お前の後ろで…!」
ツッコミ「え…うそ…え…!」
ボケ「指パッチンの練習してるよ?」
ツッコミ「Cィ!!!!!」
二人「どうもありがとうございました」