誰かと誰かの話
「そろそろスヴェンルートが始まるはずなんだけど、どう?以前ベルンハルトに吹っ飛ばされたヒロインになめてかかっていったら、こてんぱんにやられちゃうんだよね。それで話をするようになって、仲良くなるんだよ」
「!デポラ嬢にこてんぱんにされてましたね」
「え、ついにイベント起こったんだ!デポラ?どんな子だった?」
「えーと、黒髪、黒目の・・・」
「えっ、ヒロインじゃないな。髪と瞳の色を選べるけど、黒は選択肢になかったし。え、待ってデポラ?あーーー、デポラ、デポラは違うよ。スヴェンルートの最後の方に出てくるモブだもん。ヒロインじゃないよ。それで、スヴェンとはどうなったの?いい感じ?」
「彼がストーカー化して、学院を退学処分になりました」
「えっ、どゆこと?」
「格下と思い込んでいた伯爵令嬢に相手にされなかったために、ムキになって追いかけ回したあげく、大勢の人を巻き込む形で火魔法を発動、拘束されて魔力封印されました」
「え…。そんな性格地雷だったの、スヴェン…。プライドが高かったり差別意識は強いけど、ヒロインに段々諭されて、落ち着くはずじゃ…」
「普段の行動からデポラ嬢は元々嫌っていたようですし、内定している婚約者もいたので、迷惑でしかなかったようです」
「えっ、元から嫌われているって、スヴェン何してたの?」
「格下と思った相手に酷い態度で接したりしていましたね。伯爵家の人たちは我慢を強いられていました」
「えっ、感じ悪っ」
「…デポラ嬢に好意があれば違ったのかもしれませんが、そのような人に好意を抱けるものでしょうか?」
「いや、そうだね。普通に考えたらないよね…。ゲームだからこそか…。ライバル設定もなかったしな…。スヴェンの性格がライバルみたいなものだったもんね…」




