誰かと誰かの話
「ハルトくんの迷子イベントは起こった!?ヒロインに連れて来られたハルトくん、可愛いんだよね。ちょっと泣いていたから、瞳もうるうるで」
「起こりましたね。あれもイベントだったのですか…」
「そうだよ。ディートリヒはお礼にヒロインを町のカフェに誘った!?一緒に馬車に乗るから、噂になるんだよねぇ」
「そもそも、連れてきたのはエルヴィーラ嬢でした」
「ええーーー、何でよ。ヒロインどこ行ってたのよ!!何でエルヴィーラ!!」
「そこまでは…。ちょっとわかりませんね」
「初デートでヒロインにも弟がいるから話が盛り上がって、それからハルトくんも一緒に仲良くなっていくのに。あ、でも駄目。ディートリヒルートは皆不幸になっちゃうから。絶対に起こっちゃいけないイベント!!」
「不幸になるんですか?」
「いや、二人はちゃんと幸せにはなるんだけどね。ディートリヒルートのライバルはベルンハルトなの。親友と取り合うことになっちゃうの」
「殿下はエルヴィーラ嬢と婚約をしていたのに、ライバルになるのですか?」
「ベルンハルトとは親友でしょ!?自然とヒロインとの接点もできて…っていう流れ」
「はぁ…」
「変わりすぎてわからなくなっちゃったよね…」
「そうですね。一応一組になった令嬢から順に情報を集めてはいますが、決め手がないので…」




