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97.
聖騎士の竜一は、謎の力で俺に攻撃してきた。
何を使ってるのか、今の所不明。
「どうした? 人間におびえてるのか? 獣風情が」
くそ、相手には余裕がある。
あの謎の能力を攻略しかいかぎり、おれにかちめはないし、あの余裕を崩せないだろう。
ヴァイパーは準備の最中だ。
俺がひとりで対処する必要がある。
ずず、と俺は影の中に潜もうとする。
竜一の剣が、また見たことない色になる。
刃を地面に突き刺した瞬間……
地面から、拳が突き出てきたのだ。
「ぐあっ!」
地面が変形してこぶしとなり、勢いよく俺の顎にアッパーを食らわせてきた。
俺は影の翼をはやして滞空する。
さっきの重さの能力とは、また別の力だ。
こいつ何個特殊能力を持ってるんだ? くそっ!
「くく、なんだけだもの。そんなものか?」
竜一のやつが邪悪に笑う。
くそ、こっちが動揺するさまをみて笑ってるやがる。
性格の悪いやつだ。