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97/119

97.



 聖騎士の竜一は、謎の力で俺に攻撃してきた。

 何を使ってるのか、今の所不明。


「どうした? 人間におびえてるのか? 獣風情が」


 くそ、相手には余裕がある。

 あの謎の能力を攻略しかいかぎり、おれにかちめはないし、あの余裕を崩せないだろう。


 ヴァイパーは準備の最中だ。

 俺がひとりで対処する必要がある。


 ずず、と俺は影の中に潜もうとする。

 竜一の剣が、また見たことない色になる。


 刃を地面に突き刺した瞬間……

 地面から、拳が突き出てきたのだ。


「ぐあっ!」


 地面が変形してこぶしとなり、勢いよく俺の顎にアッパーを食らわせてきた。

 俺は影の翼をはやして滞空する。


 さっきの重さの能力とは、また別の力だ。

 こいつ何個特殊能力を持ってるんだ? くそっ!


「くく、なんだけだもの。そんなものか?」


 竜一のやつが邪悪に笑う。

 くそ、こっちが動揺するさまをみて笑ってるやがる。


 性格の悪いやつだ。

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