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75/119

75.



 俺は奈落の森(アビス・ウッド)にきた聖騎士どもを、倒す。

 ……だが相手は人間だ。


 殺す、わけにはいかない。

 俺は決めたのだ。


 元いた場所……火影の一族を抜けたときに、もう二度と殺しはしないと。

 相手の戦意を折ることができれば勝利なのだ。


「ご主人様」


 俺が木の上にたち、敵を観察してると……。

 影から、ダークエルフの女が姿を現した。


「ヴァイパー」

「はい、あなたの性奴隷、ヴァイパーです♡」


 ……このアホな女はヴァイパー。

 元魔王軍の幹部で、今は俺の式神となっている。


 高い魔法の力をもつが……まあ……おかしなやつなのだ。


「これからご主人様は、あの者らを殺すのですか?」

「……殺しはしない」

「ですが、向こうは殺す気まんまんのようですが?」


 みていれば、わかる。

 聖騎士どもの顔は、みな、自分の正義を信じてる顔だ。


 すなわち、これから倒しに行く敵は悪で、自分たちは正義であると。


「まったくもって愚かな連中ですね」


 ヴァイパーが心底あきれたように、ため息交じりに言う。

 俺も同感だ。が……。


「……みんな、それぞれの正義があるんだろ」


 俺も火影にいたときには、一族のため、人を殺すのが正義だと思っていた。

 でも……そのあとにエステルとであって、考えがかわった。


「100人いれば100人の正義がある。正義の反対が悪なんてことは、ないよ」

「深いお考えですね……さすがです」


 ヴァイパーが微笑みながら言う。

 馬鹿にしてる様子は無かった。


「それで、これからどうするおつもりで?」

「……影呪法で敵を無力化する。殺しはなし。黒獣化は使わない。ヴァイパー、おまえも殺傷力の低い魔法で援護しろ」

「心得ました」

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