71.
奈落の森に敵が責めてきた。
木花村の村長、サクヤのもとへ向かう。
村の真ん中に経っている、巨大な樹木。
その根元にはほこらがあって、村長にして森の精霊の幼女がいた。
なぜか全裸だが。
「ヒカゲよ、敵じゃな」
俺が言うまでもなく、村長も敵の接近に気づいていたようだ。
巫女でアリ、ハーフエルフの少女、ミファは不安げに尋ねてくる。
「どのような敵なのですか?」
「……聖騎士って連中だ」
今までも聖騎士は、神器と呼ばれる特殊な武器を手にやってきた。
それが5人、今まではバラバラにやってきたんだが……。
「今回は、総数1000」
「1000……」
ミファが息をのんでいる。
まあかなりの人数だものな。
いつわが手を上げて発言する。
「よろしいでしょうか」
「ぬしは……聖騎士じゃったな」
「はい。わたくしはいつわと申します」
いつわはおれらを見渡していう。
「おそらく聖騎士たちは、ヒカゲ様の命のみを狙ってくると思われます」
「……どういうことだ?」
いつわが、聖騎士について話してくた。
どうやら人外の化け物だけを、聖騎士は狙っているそうだ。
つまり村の他の女達は狙わないということ。
それを聞いて……。
俺は、ほっとしていた。死ぬ可能性があるとしたら、俺だ。
村のみんなが、特に、エステルとミファが無事ならそれで……。
「よくないよ!」