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【完結】影使いの最強暗殺者〜勇者パーティを追放されたあと、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人達の守り神になっていた〜  作者: 茨木野
3章

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66.暗殺者、両手に花で温泉に入る



 双子座の神器を持つ男を撃退した、翌日。

 俺は奈落の森アビス・ウッドのなかにある、いつもの神社のなかにいた。


「へーい! ひかげっち~! お姉ちゃんと一緒に風呂入ろうぜぇ~!」


 金髪に豊満なボディのアホ姉。 

 エステルが、ノックも無しに部屋の中に入ってきた。


「……エステル。急に入ってくるなよ」


「およん? なんでかね。あっ! ごめんごめん、なるほどそーゆーことね」


 うんうん、と訳知り顔でアホ姉がうなずく。

 こいつがこの顔のとき、たいていロクデモナイことを考えてる。


「自家発電の途中だったわけだ! すまねえ!」


「……ちげえよアホ」


「だいじょうぶ! お姉ちゃんそういうの理解してるから。お姉ちゃんに遠慮せずささっ、どーぞどーぞ!」


 俺はため息をついて、アホ姉の頭をチョップした。


「……要件は?」


「一緒にお風呂入ろう! 最近バトルバトルでお疲れでしょう? この姉上様がひかげくんをご奉仕してやろうってな」


「……まあ、別に良いけど」


「はいけってー♡ さ、いこーぜ!」


 というわけで、俺はアホ姉の背中に押されながら移動。


 神社からほど近い場所にある。露天風呂へとやってきたわけだが……。


「……なんでミファもいるんだ?」


 温泉の入り口に、ハーフエルフが立っている。


 白く長い髪に、同じく真っ白な肌。

 ただし、今は処女雪のように白い肌は、真っ赤に染まっている。


 彼女はミファ。

 この村の巫女であり、エステルに次いで大事な存在だ。


「あの……ヒカゲ様。わたしも一緒では、おいや……ですか?」


 潤んだ目でミファが見上げてくる。


「……いや、別に嫌って訳じゃないけど」


「ええやん、ひかげきゅん。三人で仲良くびばのんのんしようよぅ。ねーねー」


 じっ……とミファが俺の答えに注目している。


 正直、エステル以外と裸の付き合いをするのは、気恥ずかしい。

 ただ、ここで断るのも、ミファに悪い。

 

 彼女には大きな借りがある。

 エステルを復活させる際に、邪血をかなりの量分けてもらったからな。


「……わかったよ。一緒に入ろう」


「はいっ!」


 ミファは花が咲いたように笑みを浮かべる。


「いやっふー! みんななかよくすっぽんぽん祭りじゃー!」


 俺はアホ姉の頭を軽く叩き、風呂に浸かることにした。


 奈落の森は木々に覆われ、年中夜のように暗い。


 しかしここの露天風呂は、周囲の木々を伐採していることもあって、開放的な雰囲気がある。


「待たせたな青少年! サービスシーンの時間だぜぇ♡」


 エステルが脱衣所(柵で囲って作った簡素な物)から、笑顔で出てくる。


「……おまえ、隠せよ色々と」


 彼女は肌に何も身につけていなかった。

 美しすぎる裸体が、惜しみなく俺の前にさらされている。


 シミ一つ無い肌。ふくよかな乳房。

 つるりとした……いや、なんでもない。


「ぬふふ~♡ ひかげっちはいつになってもシャイシャイボーイだねぇ~♡」


 目線を反らしてると、エステルが俺に近づいてくる。


「ベッドでは散々見せ合った中ではないか~♡ ほれほれ恥ずかしがる必要がどこにあーる♡」


「……ばかっ! タオルを奪い取ろうとするなアホ姉!」


 ぐいぐい、とエステルが俺の腰からタオルを奪い取ろうとする。


「……離せっ! 非常識だろ!」


「なはは! 湯船にタオルを入れてるきみのほうが非常識なのだー! てりゃー!」


 がばっ、とエステルが勢いよくタオルをダッシュする。


「ふはは! お姉ちゃんの裸体にみとれてしまったねひかげくん! それが君の運の尽きさ!」


 勝ち誇った笑みを浮かべて、エステルが頭上にタオルを掲げる。


 なんて女だこの人は……!


「ええっと、あのぉ……」


「おっとミファたんきたかね~。ほら、おいでおいで♡」


 脱衣所からひょこっ、とミファが顔だけを出す。


「あう……あうぅう~……」


 ハーフエルフの彼女の耳の先が、真っ赤に染まっている。


「恥ずかしがることないよぅ。お姉ちゃんとひかげくんしかいないんだしさ。ほれほれかもーん」


 ミファはひょいっ、と脱衣所の柵から、体を出す。


「ちょっ!? なんでおまえも!?」


「あうぅう~…………」


 アホ姉に続いて、ミファもタオルを巻いていなかった。


 局部を手で隠しながら、よたよたとこっちに……って、いかん!


「ひかたんどったの~? 恥ずかしがっちゃってぇ~♡ うりうり♡」


 実に楽しそうに、アホの姉が俺の頬を指でつつく。


 目前にグラマーな美女の、そして間近には、スレンダーな美少女の、凄まじく美しい裸体があるのだ。


 直視なんてできるわけがない。


「にゃははっ♡ ひかげくんはいつまで経っても童貞っぽい反応してくれるから、お姉ちゃんからかいがいがあるってぇ、もんよぅ~♡」


「……おまえは後で殴る」


「ささっ♡ おふろにインしようぜっ♡」


 三人で湯船に浸かることになった、のだが……。


「……なぜ左右に座る」


「お、お気になさらずっ」

「気にすんなっ♡ よくあるこったろ?」


 右にエステル、左にミファが座っている。

 しかも肩が触れあうくらい、ぴったりと密着していた。


 みずみずしい肌の感触が実にむずがゆい。

 離れようとすると、逆側の女の子によりくっつくことになるので……ああもうどうすりゃいいんだよ!


「ひかげくんってば顔が赤いぞぉ? どうしたのかね♡ にゅふふ~♡」


 エステルは俺の腕にしっかりと、しがみついてくる。


 たわわに実った乳房が、ぐにゅりと潰れる。


「……おまえわざとやってるだろっ」


「しっけーな。わざとじゃないよ。あえてだぜ♡」


 ぽかっ。


「あいたー♡」


 一方でミファが、じーっとこっちを見ている。


「……ど、どうした?」


「し、しちゅれいしまちゅー!」


 ミファもエステルをまねるようにして、俺の腕を掴んでくる。


 エステルほどではないが、きちんと胸がある。吸い付くような肌の感触だ。


「……あの、離してくれないか?」


「…………」


 捨てられた子犬のような目をミファが向けてきた。


「……いや、このままでいい」


「はいっ♡」


 むきゅーっ、とミファが嬉しそうに俺の腕にしがみつく。


「両手に花とはこのことだね、ひかげくんっ♡」


「……そ、そうっすね」


「うりうり~♡ もっとよろこべ~♡」


 エステルが、自分の谷間に、俺の腕を挟んでくる。


「ちょっ!?」


「にゃははっ♡ どうどう? 元気で……たかね?」


 エステルがニコニコしながら問うてくる。

「……ああ」


「良かった良かった~。ひかげくん最近またお忙しそーにしてるからさ。お姉ちゃん……心配だったんだ」


 ぽつり、とエステルがつぶやく。

 彼女が静かに微笑んでいるとき、それは……内心の動揺を表に出さないよう、必死になっているときだ。


「妙な人たちが、最近出入りしてるでしょう? また……狙われてるんだよね?」


「……ん」


 ミファが心配そうな目を俺に向けてくる。

「やっぱり……わたしの邪血を狙って……?」


「……いいや、違うよ。今度の敵は、関係ない。だからそんな顔しないでくれよ」


 俺はミファの頭を、手でなでる。


 絹糸のようにさらさらとしていて、気持ちが良かった。


「ヒカゲ様……」


「……エステル。これからもミファを頼むよ」


「あいよぉ、でもねひかげくん」


「……わかってる。無理しないから」


「ならよし♡」


 エステルは太陽のように明るい笑みを、俺に向ける。


 そう、俺はこの女性ひとの、この笑顔が大好きなのだ。


「なはは、ひかげくんやっと笑ってくれた。いつも気難しそーにしてっからさ、よくねーぜそういう顔。スマイルスマイル♡」


「そうですっ。スマイル、です!」


 ふたりの笑みを見ていると、戦いの連続で張っていた緊張が、ほどけていくような気がする。


 相変わらず、敵からはバケモノ扱いされる。

 実際俺も、自分が人間でなくなっている自覚はある。


 けれど、大事な人たちの笑顔を見ているとき、俺はその瞬間だけ人間に戻れる。


 この大切な人たちのいる村を、これからも守っていくのだ。


 俺は改めて、そう思うのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] …ぜ、前回とはエライ違いだ(汗) あまりにも身も蓋もない女性って、かえって引かれそうな…まぁサービスサービスか(笑)
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